えんどう豆の成分やカロリーは?成長とともに変わる栄養素を知ろう

緑色が鮮やかなえんどう豆は、サラダやスープなどさまざまな料理で目にします。その歴史は古く、古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されていたと伝えられています。 また、成長過程と利用する時期・形態により、その種類が分かれるのも特徴です。ここでは、えんどう豆の成分や栄養素・カロリーなどを知っておいしく食べるコツをご紹介します。

目次

    えんどう豆ってどんな野菜?

    えんどう豆の名前の由来

    日本でえんどう豆の名前が登場するのは平安時代。平安時代の日用百科事典「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に「のらまめ」として記載があります。その後「豌豆(えんどう)」と言われるようになりました。「豌」のつくり「宛」は曲がった輪のことを指し、また美しい眉が細く曲がっていることのたとえから、美しい容姿という意味もあるようです。他方、中国の本草書『本草綱目』の中では、えんどう豆の苗が柔弱で宛宛(えんえん)としている様子からつけられたとも伝えられています。

    ちなみにえんどうには、さやえんどうと実えんどうがあり、実えんどうの中でも、色が濃くて未成熟の実をグリンピースと呼んでいます。英語では”bean”というワードは使わず、えんどう豆を意味する”pea”と表します。

    えんどう豆の原産地

    えんどう豆はマメ科えんどう属に分類され、原産は主に中央アジアから中近東とされています。エジプトにある遺跡「ツタンカーメン王」の陵墓付近からも出土していることから、古くから栽培されていたのは明らかなようです。日本へ伝わった時期は明確ではありませんが、8世紀以降中国を経由して入ってきたと言われています。本格的に栽培が始まったのは欧米から品種が導入された明治時代以降とされています。ちなみにさやえんどうは江戸時代、グリンピースは明治時代に広まりました。

    えんどう豆とさやえんどうの違いは?

    えんどう豆は、若い葉と茎を味わう「豆苗」、さやが若い状態で収穫してそのまま食べる「さやえんどう」、未成熟の豆を食べる「実えんどう(グリンピース)」、完熟した豆を味わう「えんどう豆」と、利用する時期と形態により分かれます。なお、成熟したえんどう豆は豆類ですが、豆苗から実えんどう(グリンピース)までは野菜類に分けられます。

    スナップエンドウもえんどう豆の一種で、アメリカから入りました。肉厚のさやに加えて、大きめの豆も柔らかく、丸ごと食せるのが特徴です。日本に入ってきた当初はスナックエンドウをはじめ、さまざまな名前がありましたが、 昭和58(1983)年に農林水産省が名称を統一するために、スナップエンドウと定めました。

    エジプトにある遺跡「ツタンカーメン王」の陵墓発掘時に、乾燥したえんどう豆が発見されたそうです。その後、えんどう豆の発芽を試みた結果、成功し、子孫の豆は「ツタンカーメンのえんどう豆」として広まったと伝えられています。日本には昭和31(1956)年にアメリカから伝わったと言われており、現在も栽培されています。さやの色が濃紫色で、中の未成熟の豆はグリンピースと同様の薄緑色が特徴です。また、還元性は通常のえんどう豆より強いと言われています。

    えんどう豆の栄養素・成分やカロリーは?

    えんどう豆はタンパク質が豊富

    成熟したえんどう豆には3大栄養素の1つであるタンパク質、内側から身体環境を整える食物繊維、体のバランスを整えるカリウム、カルシウムなど幅広い栄養素が含まれています。特にタンパク質は、100gあたり茹でた実えんどう(グリンピース)8.3g、茹でたさやえんどう3.2gに対して、茹でたえんどう豆100gあたり9.2gと多く含んでいます。

    実えんどうの食物繊維はにんじんの約3倍!

    実えんどうはエネルギーの代謝に関わるビタミンB1・B2のほか、カリウム、食物繊維、タンパク質などを含んでいます。中でも食物繊維は不溶性食物繊維が多く、 枝豆の約1.5倍、一般的なにんじんの3倍近くの量を含有しています。

    なお実えんどうは、グルタミン酸を多く含んでいるのも特徴です。含有量はトマトの約3.6倍。グルタミン酸とはうま味成分としても利用される非必須アミノ酸で、実えんどうを食べたときにうま味を感じるのはグルタミン酸によるものなのです。グルタミン酸は体のバランスを整えたりすると言われています。

    さらに、実えんどうは、成長期に欠かせない必須アミノ酸のリジンを含んでいますが、リジンはコンディションを整えるなど身体づくりをサポートする作用があるため、美容の調子を整える働きも期待されています。

    さやえんどうはビタミンC、豆苗はβ-カロテンが豊富

    さやのまま食べるさやえんどうは体を内側からキレイにすると言われるβ-カロテンを含みます。また、健康な体作りをサポートすると言われるビタミンCはトマトの約4倍も含有しています。そのほか、毎日の健康維持のために欠かせないビタミンB1・B2やスッキリ作用が期待できる食物繊維も含んでいます。また、豆苗にはβ-カロテンが豊富に含まれ、その量は実えんどうの約10倍。このようにえんどう類は、成長段階によって栄養価が大きく変化するという特徴があるんです。

    えんどう豆のカロリーは?

    成熟したえんどう豆(ゆで)のカロリーは100gあたり148kcal、実えんどうのカロリーは100g 93kcal、さやえんどうは100g 36kcal。成長に従ってよりエネルギーを多く含むようになります。

    さやにも豊富なえんどう豆の栄養素

    成熟したえんどう豆は通常、実だけを取り出して食べます。しかし捨ててしまうさやなどの非可食部には、食物繊維、カルシウムが可食部より含まれているのをご存知ですか?

    100gあたりの非可食部、可食部の食物繊維を比較すると、食物繊維は非可食部が7.1g、可食部が4.2gと、廃棄してしまう部分に約2倍近く。カルシウムは、非可食部が95mg、可食部が25mgと、廃棄してしまう部分に約4倍含まれています。

    えんどう豆の栄養素をしっかりととる方法

    えんどう豆の選び方

    中にある実だけを食する実えんどう。全体にふっくらと膨らんでいて、実がしっかりと成長し張りがあるものを選ぶようにしましょう。また、さやの色に変色がなく鮮やかな緑色のものを選びましょう。

    さやえんどうは全体の色が鮮やかな緑色で、さやにハリ・ツヤがあり、ひげが白くピンとしたものが新鮮な証拠。絹さやえんどうは、豆が極力小さくて板のように薄いものがベターです。

    えんどう豆の保存方法

    実えんどうは乾燥に弱く、放置しておくと表面からどんどん水分が失われていきます。乾燥を防ぐためにさやつきのままポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。冷凍保存の場合は、固めに塩茹でした豆を小分けして冷凍します。よく水気をきり、それぞれが重ならないように広げて冷凍後、凍ってから密封袋などに入れて冷凍して、必要な分だけ使用するといいでしょう。その際は、流水にさらすかレンジで解凍を。

    さやえんどうもなるべく早く使い切りましょう。乾燥しないように、キッチンペーパーなどに包んでからさやのままビニール袋に入れ、野菜庫の野菜室(5~10度)で保存を。なお、1~2日くらいで調理してください。

    おいしく調理するポイント

    実えんどうは風味を残すために、さやから豆を取り出すのは、調理直前に行うのがおすすめ。茹でる時には塩を入れすぎないようにしましょう。また、茹でた後に急激に冷やすのは禁物。煮汁ごと粗熱が取れるまでしばらく置くと、シワになるのを防ぐことができます。

    さやえんどうは、たっぷりのお湯に塩ひとつまみを入れて、短時間でさっと茹でましょう。

    えんどう豆は、実は同じ植物からできており、グリンピース、さやえんどうなど、成長過程や食べられる部分によって名前や栄養価が変わることが分かりました。えんどう豆は、炊き込みごはん、煮物、炒め物、揚げ物、スープなど幅広く活用できるので、食卓に上手に組み入れたいですね。

    部位100g当たり栄養分析値(当社調べ)

    ※横にスワイプすると表をスライドできます。

    野菜 100g当たり栄養成分 構成比 食物繊維 g/100g カルシウム mg/100g カリウム mg/100g ビタミンA μg/100g ポリフェノール mg/100g
    コーン 33% 15.3
    67% 5.6
    枝豆 さや 45% 12.0 138 314 80
    55% 5.8 84 691 60
    ビーツ 10% 4.3 39 210
    果肉 90% 2.2 13 80
    パプリカ 種、わた、へた 12% 7.2 34 711 20 120
    果肉 88% 1.3 7 261 90 30
    えんどう豆 さや 47% 7.1 95 50
    53% 4.2 25 30
    にんじん 10% 4.5 51 759 613 80
    果肉 90% 2.8 26 315 807 10
    かぼちゃ 種、わた 16% 11.7 22 726 259 70
    果肉 84% 2.5 17 442 146 30

     

    監修 : 尾上 雅子(管理栄養士)

    監修 : 尾上 雅子(管理栄養士)

    大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。

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