ごぼうで食物繊維をとるのが健康維持に良い理由
ごぼうで食物繊維をとるのが健康維持に良い理由
- ごぼうに含まれる食物繊維の量は
- ごぼうに含まれる食物繊維の種類は
- ごぼうには2つの食物繊維がバランス良く含まれる
- ごぼうの食物繊維にはどんな効果がある?
- 不足分の食物繊維をごぼうで補うなら何g?
- ごぼうを手軽に・効率よくとるレシピ
ごぼうに含まれる食物繊維の量は
炒めもの、煮物、サラダに炊き込みご飯など、さまざまな料理で活躍するごぼう。食物繊維が豊富で体に良いというイメージを持たれている方も多いかもしれません。そのイメージ通り、ごぼうには食物繊維がたっぷり含まれています。ごぼうの食物繊維含有量は、生の状態のものであれば100gあたりに5.7g、茹でた状態のものであれば100gあたりに6.1g。実は、一般的に食物繊維が豊富なイメージのあるレタスやほうれん草、さつまいもなどと比べても、ごぼうのほうがより多くの食物繊維を含んでいるのです。
ごぼうに含まれる食物繊維の種類は
食物繊維とは、私たちが日ごろ口にしている食べ物のなかに含まれていて、消化・吸収されずに小腸を通って大腸まで達する成分のこと。体にとって良い働きをしてくれることから、五大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」とも呼ばれています。
そんな食物繊維にはおおまかに、水に溶ける性質を持つ「水溶性食物繊維」と水に溶けない性質を持つ「不溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性食物繊維はいも類・果物類・海藻類などに、不溶性食物繊維は穀類・いも類・野菜類などに多く含まれています。そして、ごぼうにはこの両方の食物繊維が含まれているのです。
ごぼうには2つの食物繊維がバランス良く含まれる
では、ごぼうには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がどれくらいの割合で含まれているのでしょうか?生の状態のごぼうで見てみると、100gあたりの食物繊維含有量5.7gのうち水溶性食物繊維は2.3g、不溶性食物繊維は3.4g。また、茹でた状態のごぼうであれば、100gあたりの食物繊維含有量6.1gのうち水溶性食物繊維は2.7g、不溶性食物繊維は3.4gとなります。この数値から、ごぼうには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がどちらもバランス良く含まれていることがお分かりいただけますよね。
ごぼうの食物繊維にはどんな効果がある?
食物繊維は、私たちの体にどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか?まず一般的にもよく知られている大きな効果は、便通を整えて、便秘しづらくなる整腸作用です。また、食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれたり、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して体の外に排出してくれたりすることによって、生活習慣病を予防・改善してくれる効果もあるといわれています。
食物繊維を効果的にとる上で知っておきたい大切なことは、食物繊維を含む食材の多くは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の性質をあわせ持っているということ。例えば整腸作用でいえば、水溶性食物繊維は「便を柔らかくする」、不溶性食物繊維は「便のかさを増やす」、というそれぞれ違った働きをしてくれることが分かっています。 2つの食物繊維をバランスよくとることが健康な体を作る上で大切です。その点でも、食事にごぼうを取り入れるのは賢い選択だといえそうです。
不足分の食物繊維をごぼうで補うなら何g?
私たちの体にとても良い効果をもたらしてくれる食物繊維ですが、残念ながら現代の日本人の食生活ではほとんどの人が不足している状態なんだそう。厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりの食物繊維の目標摂取量は、18〜64歳で男性21g以上、女性18g以上。しかし最近の報告では、実際の平均摂取量は1日あたり15g前後というデータもあります。成人女性の場合で考えると、およそ3g食物繊維が足りていないことになりますよね。
例えばその不足分をごぼうで補おうとすると、茹でた状態のものなら約65g必要という計算になります。ごぼう1本が約200gとするとおよそ1/3本弱を食べればいいので、煮物や炒めものなどにして副菜として献立に加えれば、ごぼうで食物繊維の不足分を補うことも十分できそうですね。
ごぼうを手軽に・効率よくとるレシピ
では、ごぼうをお手軽かつ効率よくとることができるレシピをいくつかご紹介しましょう。
・きんぴらごぼう
まずは定番の「きんぴらごぼう」から。ごぼうとかにんじんだけで作れる定番のおかずで、調理時間も約10分ととてもお手軽です。
作り方
ごぼうをたわしでこすって水洗いしたら、長さ5㎝の細切りにし酢水に漬けて水気を切っておきます。にんじんも皮をむき、長さ5㎝の細切りにしておきます。続いてフライパンでごま油を熱し、ごぼうとにんじんを炒めます。全体によく油がなじんだら、みりん・砂糖・しょうゆの順に調味料を加え、汁気がなくなって照りが出るまで炒めます。器に盛ったら炒った黒ごまを振りかけて完成です。ごぼうのおいしさをシンプルに味わえて、あと1品欲しいときのお助けレシピとしても活躍してくれる、おすすめのおかずです。
参照:ナスラックキッチン「簡単!きんぴらゴボウ」
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=001087
・ごぼうの混ぜごはん
続いてご紹介するのは「ごぼうの混ぜごはん」です。ご飯にごぼうを混ぜ込むことで食物繊維が補える、とっても健康的な1品です。調理時間は約20分で、フライパンで簡単にできるのが嬉しいですね!ごぼうをなるべく小さめに切るのが食べやすくなるコツですよ。
作り方
ごぼうを小さめのささがきにして水にさらしたら、水気をよく切っておきます。続いてフライパンにごま油を熱し、ごぼうを炒めて水を加えたら、合わせ調味料(酒・砂糖・濃口しょうゆ)を加えて煮汁がなくなるまで煮ます。ボウルにご飯を入れて、炒めたごぼうと炒りごまを加え混ぜ合わせたら完成です。
参照:ラッスナクキッチン「混ぜご飯ゴボウめし」
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=000156
・ごぼうの洋風ポタージュスープ
歯ごたえと深い味わいが魅力のごぼうですが、お子さまにとってはそれが苦手の原因になっていることも…。そこで最後は、お子さまでもおいしく食べられる「ごぼうの洋風ポタージュスープ」をご紹介しましょう。ごぼう本来の優しい甘みを味わいながら食物繊維もたっぷりとれる、ご家族みんなで楽しめる1品ですよ。
作り方
ごぼうは薄切りにし酢水であく抜きして、水気をしっかりと切っておきましょう。玉ねぎも薄切りにします。大きめの鍋に玉ねぎ、みじん切りにしたにんにく、オリーブオイルを入れ、弱火にかけます。玉ねぎが透き通るまで炒めたら、ごぼうを加えてさらに5分ほど炒めます。そこに合わせ調味料(水・コンソメキューブ・ローリエ)と生クリームを加えて火を強めます。沸騰したら弱火にし、煮汁が2/3位になるまで10〜15分程煮ていきます。
火を一度止めて冷まし、粗熱がとれたらローリエを取り出して、ハンドプロセッサー(またはミキサー)で全体がなめらかになるまでかき混ぜます。なめらかになったら再び鍋に入れて火にかけ、生クリームを加えます。塩とブラックペッパーで味を調えて沸騰する直前で火を止めたら、器に盛りつけパセリのみじん切り(適量)を添えて完成です。
参照:ナスラックキッチン「ゴボウのポタージュ」
https://www.nasluck-kitchen.jp/レシピ/?menu_id = 002619
ごぼうに含まれる食物繊維を手軽に効率よくとれるレシピを、ぜひ日々の献立に加えてみてください。
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。
3歳・1歳の2人の男の子を育てる在宅ライター。食・インテリア・子育て系のコラムをはじめ執筆ジャンルは多岐にわたる。得意分野は新しい商品やサービスの紹介記事。