食物繊維たっぷりなのにカロリーが低い食材
食物繊維たっぷりなのにカロリーが低い食材
- 食物繊維がたっぷりな食材。気になるカロリーは?
- カロリーが高く食物繊維が多い食材
- カロリーが低く食物繊維が多い食材
- 低カロリーな食材のおすすめレシピ
- ダイエットに嬉しい食物繊維の効果
- 整腸効果
- 糖値上昇の抑制
食物繊維がたっぷりな食材。気になるカロリーは?
食物繊維は野菜などの植物性食品に多く含まれる栄養素で、近年では「第6の栄養素」と呼ばれるほど重要視されている栄養素です。食物繊維は人の体では消化・吸収されず、小腸・大腸を通り便として排出されます。これがよく知られている整腸作用です。
日本人のほとんどが、食物繊維の摂取不足だという報告もあり、積極的に摂取したい栄養素。糖質や脂質の代謝に関わる成分としても、注目されています。
消化・吸収されず体外に排出される食物繊維は、カロリーゼロと思われがちですが、食物繊維の種類によりカロリーが算出されるものあります。
たとえば、難消化性糖質と呼ばれる、エリスリトールやキシリトールラフィノースなどの甘味料は、その種類により1グラムあたり0~3kcalと定められています。
また、キクイモ、こんにゃく、昆布やわかめなどの藻類やきのこ類などに関しては、通常たんぱく質、脂質、炭水化物から算出されるエネルギー量に0.5をかけて算出されています。
カロリーが高く食物繊維が多い食材
では、カロリーが高く、食物繊維が多い食材にはどのようなものがあるのでしょうか。主食の場合、ライ麦パン(264kcal・5.6g / 100g)、乾燥マカロニ・スパゲティ(378kcal・5.4g / 100g) 、乾燥そば(344kcal・3.7g / 100g)などが挙げられます。
野菜では枝豆(135kcal・5.0g / 100g)、果実類ではアボカド(187kcal・5.3g / 100g)、豆類ではゆであずき(146kcal・8.7g / 100g)、大豆水煮缶(140kcal・6.8g / 100g)、ごぼう(65kcal・5.7g / 100g)などが当てはまります。
種実類ではアーモンド(608kcal・11.0g / 100g)やくるみ(674kcal・7.5g / 100g)などです。
カロリーが低く食物繊維が多い食材
反対に、カロリーが低く食物繊維が多い食材には、どんなものがあるのでしょうか。いも類では、こんにゃく(5kcal・2.2g / 100g)が低カロリーの代表格。しらたきもほぼ同様の栄養価となっています。
野菜類ではオクラ(30kcal・5.0g / 100g)、ブロッコリー(33kcal・4.4g / 100g)、モロヘイヤ(38kcal・5.9g / 100g)などが挙げられます。上記以外にも、野菜には食物繊維が豊富に含まれており、そのほとんどが低カロリーなのが特徴です。
きのこ類ではしいたけ(19kcal・4.2グラム/ 100グラム)、えのき(22kcal・3.9グラム/ 100グラム)以外にも、きくらげやしめじ、なめこ、まいたけなど、ほとんどのきのこで上記と同様の栄養価を季節問わず手に入るので、きのこ類はダイエット食材として人気の高い食材です。
藻類では乾燥ひじき(15kcal・5.2グラム/ 10G)、乾燥わかめ(12kcal・3.3グラム/ 10G)、焼きのり(19kcal・3.6グラム/ 10g)と、乾物でも十分に食物繊維を補うことができます。
では、低カロリーで食物繊維の豊富な食材を、どのように食卓に取り入れたらよいのでしょうか。ここからは、上記の食材を使ったおすすめレシピをお届けします。
低カロリーな食材のおすすめレシピ
・ブロッコリーのごまナムル
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=002885
夕食のもう一品にぴったりな副菜です。
・たっぷりきのこの蒸し豆腐
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=003953
シイタケやエリンギ、シメジなど、きのこをたっぷりと使った一品です。
・ひじきの生ふのりかけ梅かつお風味
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=003764
乾燥ひじきを使った、ご飯のおともにぴったりの自家製ふりかけです。
ダイエットに嬉しい食物繊維の効果
ダイエットを気にする際には、カロリーの低い食材を選びたいですよね。そもそも、食物繊維は、実際にダイエットにどのような効果をもたらすのでしょうか。
食物繊維を多く摂取すると、満腹感を感じ、食べ過ぎを防ぐことができます。食物繊維の摂取により、腸内細菌による食物繊維の発酵がおこなわれます。そこで産生された短鎖脂肪酸という物質が脳を刺激し、満腹感を生み出しているという報告もあり、近年注目を集めています。
加えて、食物繊維は、体外へコレステロールを排出してくれるはたらきがあります。これは、便と一緒にコレステロールを排出することで、血中コレステロール値を低下させる作用によるものです。この作用は、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」によるもので、穀類やきのこ類、藻類などを摂取することで、効果が期待できます。
整腸効果
食物繊維のよく知られている効能、「整腸作用」もダイエットに効果を発揮します。消化されにくい食物繊維は便のかさ増し材料となり、排便を促します。また、善玉菌などの細菌を増やし、腸内環境を整えるはたらきもあります。
とくに女性は、腸のぜん動運動が低く、女性ホルモンなどの影響から男性より便秘になりやすいと言われています。食物繊維が足りているかどうかは「一日に一回排便があるかどうか」がひとつの目安です。
血糖値上昇の抑制
食後の血糖値の上昇抑制も、食物繊維の効能のひとつです。食物繊維を豊富に含む食品を摂取することにより、消化管からの糖の吸収を抑制します。この作用により、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリン分泌量の抑制に繋がります。
「食べ順ダイエット」も、このはたらきを利用した方法です。食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べ、たんぱく源(肉・魚類)、炭水化物(ごはん・パン・麺)の順で食べることにより、血糖値の上昇を抑えることができます。血糖値だけではなく、肉類などの脂質の吸収抑制も期待できるため、食材のカロリーを気にするだけでなく、食べ方から工夫してみるのもいいですね。
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。
管理栄養士・フードコーディネーター。レシピ開発やコラム執筆、栄養指導を行っています。旬の食材を生かした、四季を感じる食生活を実践中。道の駅や市場で地元の食材を見るのが好きです。
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