黄えんどう豆だけで作ったおいしい麺状食品は食後の急激な血糖上昇を抑制する機能的な主食である

ポイント

  • 主食は、人々がエネルギー源として摂取する食品で、穀物(米、小麦など)が代表的な主食として知られております。これらの主食は我々の食生活には欠かすことのできないもので、多くの炭水化物を含有しております。炭水化物は摂取すると消化吸収され、血液中のグルコースの濃度、すなわち血糖値を上昇させます。血糖の過度な上昇や慢性的な高血糖状態は糖尿病、冠動脈疾患、肥満などを引き起こし、我々の健康を脅す原因となるので注意が必要です。
  • 米や小麦と比べ、マメ科植物は低糖質で、食物繊維を豊富含んでおり、消化吸収されにくいレジスタントスターチも多く含有するため、 食後血糖値の上昇を引き起こしにくい食品であることが知られております。加えて、豆類はたんぱく質やミネラル、ポリフェノールなどのフィトケミカルが豊富に含まれており、栄養面で優れた食品であると言えます。
  • しかしながら、豆類を米や小麦の代わりに主食として利用することは、食味や食習慣上、難点が残されております。そこで私たちは、豆を原料とした麺状の食品を作製しました。おいしさの評価(食感や味覚)を行い、黄えんどう豆が優れていることを確認しました。そして、毎日食べられるおいしさを有していた黄えんどう豆について血糖値の上昇指標であるGI(Glycemic Index)を測定しました。
  • その結果、薄皮付きの黄えんどう豆粉末で作られた麺状食品のGIは、グルコース基準55以下の低GI食品であることがわかりました。このことから、黄えんどう豆粉末で作られた麺状食品は、毎日食べられるおいしさを持ち、血糖値を上昇させにくい「機能的な主食」となる可能性が示されました。

結果

①:白米米飯と比較して、黄えんどう豆で作製した麺状の食品は、摂取後120分までの血糖値変化量が有意に低かった。

②:GI値:
55.0 (薄皮付きの黄えんどう豆で作製した麺状の食品)
40.3 (薄皮無しの黄えんどう豆で作製した麺状の食品)
⇒ いずれも、低GIとなった。

結果①:食後120分までの血糖値変化量

結果2:黄えんどう豆粉末で作られた麺状食品のGI