オフィスワーカーのための主食としての豆麺に関する研究

ポイント

  • 本研究では、昼食の主食として「豆麺(豆類でつくった麺)」の効果を検証することを目的に、慶應義塾大学(理工学部システムデザイン工学科 満倉靖恵教授)と(株)ZENB JAPANで共同研究を行いました。
  • オフィスワーカー(20-50代の健康な男女、10名)を対象にした試験において、昼食の主食として「白米・うどん・パン(通常昼食)」を食べた週と比較した結果、「豆類でつくった麺(豆麺昼食)」を食べた週は、昼食後の血糖値平均が有意に低下し、最高血糖値平均は有意傾向ありで低下したことが確認できました。また、脳波を計測した感性値「集中度」は、通常昼食を食べた週は、昼食前後と比較して、定時終了前には有意に低下しましたが、豆麺昼食を食べた週は、集中度が維持され、低下を防ぐことが判明しました。さらに、終業時のタイピングの正打数に関しても豆麺昼食の方が有意に多いことが確認できました。
  • 以上の結果から、オフィスワーカーが昼食に豆麺を摂取することで、午後の仕事のパフォーマンス向上につながる可能性があることが示唆されました。

結果

オフィスワーカー(20-50代の健康な男女、10名)を対象に、昼食の主食として、「白米・うどん・パン(通常昼食)」を摂取した場合と比較して、「豆類でつくった麺(豆麺昼食)」を摂取した効果を検証したところ、以下の結果が確認できました。

  1. 昼食後の「血糖値平均」は有意に低下し、「最高血糖値平均」は有意傾向ありで低下した。
  2. 定時終了前の脳波の計測による感性値「集中度」が維持され、低下を防止していた。
  3. 通常昼食と豆麺昼食の比較において、昼食前・昼食後では有意差はなく、業務終了前では豆麺昼食の方が有意傾向ありで「集中度」が高かった。
  4. 定時終了前のタイピングの正打数が有意に多かった一方で、誤打数には有意差はなかった。
  5. 仕事の効率やモチベーションに関するアンケートの回答が、有意に肯定的であった。

通常昼食と豆麺昼食の比較において、午前・午後の仕事効率は豆麺昼食の方が有意に肯定的で、仕事へのモチベーションに関しても豆麺昼食の方が、当日の午後だけでなく、翌日についても有意に高くなる回答であった。

※図はすべて10人の被験者の平均値±SD

図1 昼食後の血糖値

(A)血糖値の週平均 (B)最高血糖値の週平均

図2 脳波による感性値「集中度」

図3 定時終了前のタイピング数

(A)タイピングの平均正打数 (B)タイピングの平均誤打数

図4 アンケート結果

アンケート内容

  • 午前中の仕事効率:午前中の業務の効率はいかがでしたか?【0(低い)~10(高い)】
  • 午後の仕事へのモチベーション:午後の業務へのモチベーションの高さは? 【0(低い)~10(高い)】
  • 昼食好み:昼食の好みはどのくらいですか。【0(嫌い)~10(好き)】
  • 午後の仕事効率:午後の業務の効率はいかがでしたか?【0(低い)~10(高い)】
  • 明日の仕事へのモチベーション:明日の業務へのモチベーションの高さは?【0(低い)~10(高い)】