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食物繊維をとるにはキャベツがいい?キャベツに含まれる食物繊維の量とは

食物繊維をとるにはキャベツがいい?キャベツに含まれる食物繊維の量とは

食物繊維が体にいいことは知っているけれど、どんなものをどのくらい食べたらいいのか、またどうしたら効率よくとることができるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。今回は、食卓にのぼる機会も多い身近な野菜であるキャベツに焦点をあててご紹介します。
食物繊維をとるにはキャベツがいい?キャベツに含まれる食物繊維の量とは
  1. キャベツに含まれる食物繊維の量は
    • キャベツはほかの野菜より食物繊維が多い?
    • 食物繊維が多く含まれる食材は
  2. 日本人は食物繊維が不足気味
    • 一日にとりたい食物繊維の量と実際の量
    • キャベツで食物繊維の不足を補うなら何g?
    • キャベツで上手に食物繊維をとるならこの料理
  3. キャベツ以外で食物繊維を効率よくとるには

キャベツに含まれる食物繊維の量は

そもそもキャベツにはどのくらい食物繊維が含まれているのでしょうか?
生の状態のキャベツ100g(キャベツひと玉は約1000g)のなかに含まれる食物繊維の量は1.8g。そのうちの1.4gは「不溶性食物繊維」と呼ばれる種類の食物繊維です。食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類があり、キャベツに多く含まれる不溶性食物繊維には、便のかさを増して腸を刺激し、便通を促してくれる働きがあります。

キャベツはほかの野菜より食物繊維が多い?

100グラムあたり1.8グラムというキャベツの食物繊維量ですが、ほかの野菜と比べると多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。

食物繊維が多く含まれている野菜は、例えば干しわらび(100グラムあたり58グラム)とうがらし(乾、100Gあたり46.4グラム)、干しぜんまい(100グラムあたり34.8グラム)、かんぴょう(乾、100Gあたり30.1g)などがあります。しかし、こういった野菜は手に入りにくかったり、メニューが限られたりするものが多く、普段の食事に頻繁に取り入れるのは難しいものです。

その点キャベツは、よくサラダに使われるレタスやきゅうり、トマトと比較しても食物繊維が多い野菜です。年間を通してスーパーで手に入り、カット野菜でもよく見かけるので手軽に食物繊維をとることができるのも嬉しいポイントです。また、同じ葉物野菜であるレタス(土耕栽培、100gあたり1.1g)や白菜(100gあたり1.3g)と比べてもキャベツは食物繊維が多いといえます。

食物繊維が多く含まれる食材は

次に野菜に限らず、幅広い食品に目をむけてみましょう。食物繊維は動物性の食品にはほとんど含まれず、植物性の食品に多く含まれています。特にこんにゃく(粉)や凍みこんにゃく(乾)、きくらげ(乾)やしろきくらげ(乾)、寒天、ひじき(乾)などが含有量の多い食品です。またそば、ライ麦パン、納豆、おから、しらたき、さつまいも、切り干し大根、かぼちゃ、ごぼう、ブロッコリー、椎茸、ひじきなどは、1食あたりに食物繊維が2〜3g含まれているので、毎日の食卓に取り入れるのがおすすめです

日本人は食物繊維が不足気味

1950年ごろの調査では、日本人は普段の食事から十分な量の食物繊維をとれていたという結果が出ています。しかし現在、ほとんどの日本人に食物繊維が不足していると言われています。食事環境が変化して、食物繊維が多く含まれる穀類、豆類、いも類の摂取量が減少していくにつれて、多くの人に食物繊維が不足してきました。

一日にとりたい食物繊維の量と実際の量

現在定められている1日あたりの食物繊維摂取目標量は、18〜64歳の男性で21g以上、女性で18g以上(厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より)です。
しかし、近ごろでは1日当たりの平均摂取量は15g程度だという報告も。多くの人は食物繊維が1日当たり目標量より3〜5g程度不足しているという現状です。

キャベツで食物繊維の不足を補うなら何g?

では、不足分の4〜6gは何をどのくらい食べれば補えるのでしょうか。不足する食物繊維6gをキャベツのみでとろうとすると、生の状態で330g程度食べなくてはいけません。個体差はありますが、だいたい1/3個ほど。生のままサラダや千切りにして食べるにはかなりの量。なんとかしてかさを減らしたいところです。

キャベツで上手に食物繊維をとるならこの料理

キャベツを加熱するか塩もみすると、同じ量でもかさが減って食べやすくなります。生で食べるなら、塩もみしてからギュッと絞ってかさを減らして、コールスローにするのはいかがでしょうか。加熱するなら、キャベツをたっぷり入れたお好み焼きやぎょうざもおすすめです。野菜が苦手でも食べやすく、お子さんにも人気のメニューですね。
ここでは、手軽に作れて朝食にもぴったりのスープのレシピをご紹介します。スープにするとキャベツのかさも減り、たくさんの量が食べやすくなりますよ。

・キャベツとソーセージのスープ

キャベツの葉をちぎって鍋に入れ、うすく切ったタマネギと水、固形スープの素を入れて火にかけます。沸騰したらソーセージを入れ、塩こしょうで味を整えて完成です。シンプルな味付けなので、ブロッコリーやにんじんなど、冷蔵庫にあるほかの野菜を加えてもいいですね。

参照:農林水産省「キャベツとソーセージのスープ」

https://www.maff.go.jp/j/kids/crops/cabbage/recipe.html

キャベツ以外で食物繊維を効率よくとるには

加熱などでかさを減らせば、330グラムほどのキャベツを食べるのも無理ではなさそうです。しかし、いつもキャベツだけで食物繊維の不足分を補おうとするのはなかなか大変です。

効率よく食物繊維をとるには、食べる量の多い主食を、食物繊維をより多く含むものに変えるのも一手。いつもの白米から玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはんに変えるだけでも、手軽に食物繊維量がアップします。また間食として果物を取り入れるのもおすすめです。

また、食物繊維のサプリメントや食物繊維を関与成分とする特定保健用食品(トクホ)を取り入れても◎。よくトクホの食品の関与成分となっている「難消化性デキストリン」は水溶性食物繊維の一種です。
キャベツのほかにも植物性の食品をより多くとることを心掛けて、食物繊維たっぷりの食卓を目指したいですね。

監修者尾上 雅子(管理栄養士)

    大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。

    ライターシマサキアヤ

      PR会社、小売業のマーケティング担当を経て、出産後ライターとして活動中。3歳の娘を育てています。

      参考リンク
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      食物繊維には血糖値の上昇を抑える効果が!その理由を解説 糖質制限ダイエット中の食物繊維のとり方