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糖質制限ダイエット中の食物繊維のとり方

糖質制限ダイエット中の食物繊維のとり方

スーパーやコンビニに行くと「糖質オフ」「糖質ゼロ」などと表示されている食品や飲料を多く見かけます。流行中の糖質制限ダイエット、実践している方も多いのではないでしょうか。そんな糖質、実は食物繊維と切っても切れない関係にあるのです。食物繊維を無視して糖質制限を行うと、便秘など体に悪影響が出る可能性も……。食物繊維と糖質の関係を正しく知って、上手に利用して、食物繊維を糖質制限ダイエットの強い味方に!
糖質制限ダイエット中の食物繊維のとり方

  1. 食物繊維と糖質の違いは?
    • 食物繊維のはたらき
    • 糖質のはたらき
  2. 食物繊維は糖質制限ダイエットにも有効!?
    • 糖質制限ダイエットとは?
    • 食物繊維は糖質の吸収を抑える
    • 糖質制限中も、食物繊維の摂取量を意識しよう
  3. 糖質を抑えつつ食物繊維をとれる食品
    • 糖質が低く、食物繊維が豊富な食品
    • 食物繊維は豊富だけど、糖質制限中は控えたい食品

食物繊維と糖質の違いは?

炭水化物は、実は糖質と食物繊維の総称です。炭水化物のうち、体内で消化され、エネルギー源となるものを「糖質」、体内で消化されずほとんどエネルギー源にはならないものを「食物繊維」といいます。

そのため、単に「炭水化物=糖質」と考え炭水化物を排除した食生活をしてしまうと、体に必要な食物繊維が十分にとれなくなってしまうのです。

参照:厚生労働省e-ヘルスネット「炭水化物/糖質」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html

参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)炭水化物」

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

食物繊維のはたらき

食物繊維は、炭水化物のなかでもほとんど消化吸収されない栄養素。腸内環境をよくして便通を整える整腸作用がよく知られています。軟便や便秘など、おなかの調子で悩んでいる方にはぜひとっていただきたい栄養素です。整腸作用のほかにも、余分な糖や脂質、ナトリウムを吸着し体の外へ排出するという嬉しい効果も。食物繊維を十分にとれば生活習慣病の予防に有効とされています。五大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」とも言われる食物繊維は、ほかにもさまざまな効果が知られています。意識的に毎日の食生活に取り入れていきたいですね。

糖質のはたらき

糖質は、体内で消化吸収されエネルギー源となる栄養素です。糖質制限をしていると、「糖質は敵!」と考えてしまいがちですが、糖質が不足するとエネルギー不足になり、集中力の低下や疲労感をもたらすことも。かと言って糖質をとりすぎてしまうと、肥満や生活習慣病の原因にもなります。糖質はとりすぎず、かつ不足しないようにしたい、体に必要な成分なのです。

食物繊維は糖質制限ダイエットにも有効!?

食物繊維と糖質それぞれのはたらきや違いは「食物繊維と糖質の違いは?」にて押さえましたね。それでは、糖質制限ダイエット中の方である場合、食物繊維を効果的に活用することはできるのでしょうか。

糖質制限ダイエットとは?

糖質制限ダイエットとは、食事に含まれる糖質を抑えるダイエッ​​ト方法のこと。糖質の摂取量を減らすことで、肥満の主な原因と言われる血糖値の上昇を抑え、減量につながると考えられています。

糖質制限と聞くと「炭水化物を抜く」ことだと考えてしまいがちですが、一切の炭水化物を食事から排除してしまうと食物繊維もとれなくなってしまうだけでなく、糖質不足により体がエネルギー不足の状態に陥りやすくなります。

糖質制限ダイエットでは、単に炭水化物を抜いた食事をするのではなく、炭水化物のうちの食物繊維を十分にとりながら糖質を抑える方法を考えていきたいですね。

食物繊維は糖質の吸収を抑える

「食物繊維のはたらき」でもご紹介したとおり、食物繊維には余分な糖を体外へ排出するはたらきがあります。また、余分な脂質も排出してくれるので、糖質制限に限らず、ダイエットの味方となる成分といえるでしょう。

糖質制限中も、食物繊維の摂取量を意識しよう

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食物繊維の一日当たりの摂取目標量は、18〜64歳の男性で21g以上、18〜64歳の女性で18g以上とされています。しかし、実際の一日当たりの平均摂取量は、近頃では15g程度になってしまっているという報告も。現代は多くの人が食物繊維不足にあるようです。

糖質制限ダイエット中は、糖質を避けて炭水化物を控える傾向にあるため、どうしても食物繊維が不足しやすくなってしまいます。その上、食物繊維は通常の食生活でも不足しがちな成分。糖質制限中は、よりいっそう食物繊維を意識的にとることを心がけるとよいでしょう。

参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

糖質を抑えつつ食物繊維をとれる食品

なるべく糖質の量が少なく、かつ食物繊維を効率よくとれる食品があると心強いですよね。糖質制限ダイエット中でもあまり糖質を気にせず食物繊維をとれるおすすめの食品をご紹介します。

糖質が低く、食物繊維が豊富な食品

まずおすすめするのは「大豆」です。大豆は食物繊維が豊富な上に、低糖質で知られる食材。畑のお肉とも言われ、タンパク質も豊富です。糖質制限中はタンパク質をより多くとろうとする方も多いですよね。豆腐や豆乳などの大豆加工製品も低糖質・高タンパク質で糖質制限ダイエットむきの食材ではありますが、実は食物繊維はあまり多く含まれていません。それ以上、ゆば(干し・乾)やひきわり納豆、糸引き納豆は低糖質でかなり多くの食物繊維が含まれていますよ。

「海藻」も食物繊維が豊富ながら糖質量の少ない食材です。ひじきやのり、わかめなど、サラダやおみそ汁の具としてコンビニでも手に入りやすいため、手軽に食事に取り入れることができます。そのほかに「キノコ類」も低糖質で食物繊維が多く含まれています。

食物繊維は豊富だけど、糖質制限中は控えたい食品

食物繊維が豊富であろうとも、糖質が多い食品は、糖質制限中は十分避けたいところ。じゃがいもは食物繊維が豊富ですが、かなり多くの糖質も含まれています。料理の付け合わせやスナックでついつい食べたくなってしまいますが、糖質制限中は避けたほうがよさそうです。

野菜だと糖質が少なそうなイメージがありますが「れんこん」「にんじん」などの根菜類や「かぼちゃ」などは、野菜のなかでは糖質が多めなので、とりすぎには注意しましょう。

ダイエット中の食生活にもぜひ取り入れたい食物繊維。糖質制限中は特に不足しがちになってしまいます。単に糖質を避けるだけではなく、食物繊維をより多くとることも考えて賢く食材を選んでいきたいですね。

監修者尾上 雅子(管理栄養士)

    大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。

    ライターシマサキアヤ

      PR会社、小売業のマーケティング担当を経て、出産後ライターとして活動中。3歳の娘を育てています。

      参考リンク
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      食物繊維をとるにはキャベツがいい?キャベツに含まれる食物繊維の量とは 食物繊維は消化に悪いの?消化によい食物繊維のとり方とは