昼食に「豆麺」を食べると午後からの仕事パフォーマンス向上につながる可能性を示唆
~慶応義塾大学・ZENBでの共同研究~

2022/04/12

ZENBは、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の満倉靖恵教授との共同研究を実施し、「豆麺(豆類でつくった麺」を昼食に食べることで、食後の仕事パフォーマンス向上につながる可能性が、いくつかの客観的な成果として明らかになりました。

概要

会社員の男女を対象に、昼食の主食として「白米・うどん・パン(通常昼食)」を食べた週と比較して、「豆類でつくった麺(豆麺)」を摂取した週では、以下の結果が得られました。

  1. 昼食後の血糖値平均・血糖値AUCは有意に低下し、最高血糖値平均は有意傾向ありで低下した。
  2. 定時終了前の脳波を計測した感性値「集中度」の低下を防ぐ。
  3. 定時終了前のタイピングの正確さが有意に優れている。
  4. 仕事の効率やモチベーションに関するアンケート回答が有意に肯定的になる。

上記4点を踏まえ、オフィスワーカーが昼食に「豆類でつくった麺」を摂取することで、午後からの仕事パフォーマンス向上につながる可能性が示唆されました。

満倉靖恵教授コメント

今回の研究では、低GI食品である「豆類でつくった麺」を昼食に食べると食後の集中度が維持され、午後の仕事の効率やパフォーマンスの向上につながることが、血糖値や脳波による感性値などを計測することで明らかになりました。大事なポイントは、食後の平均血糖値をなるべく上げない食事を継続することです。今回は、低GI食品である「豆類でつくった麺」を昼食(主食)にとり入れましたが、このような食事を長期的に継続することで、さらにどのような効果があるかについては新たな研究を進めていきたいと思います。

<満倉靖恵教授プロフィール>

慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授。2019年4月より医学部精神神経科学教室兼担教授。博士(工学)博士(医学)。信号処理、機械学習、パターン認識、人工知能、統計処理などの技術を用いて生体信号や音声、画像から情報を抽出する研究に従事。現在は脳波と画像を扱い、社会に役立つ研究や医学との融合を中心に取り組んでいる。

試験内容

実施時期
2020年8-9月
被験者
20-50代会社員の健康な男女 計10名
試験方法
試験は15日間行い、最初の1週間(1~7日目)は、昼食の主食に白米・うどん・パンを摂取、2週目(8~14日目)は昼食の主食に「豆類でつくった麺」を摂取、15日目は認知機能テストのみ実施した。被験者は体重・血糖値を毎日測定し、感性値・タイピングテスト・アンケートは勤務日(月~金曜日)のみ実施した。土曜日は体重測定と認知機能テストのみ実施した。昼食の脂質・たんぱく質・炭水化物は等しくなるように管理した。

・本研究に使用した「豆類でつくった麺」は、ZENB JAPANが提供しました。
・本研究成果の掲載論文:https://doi.org/10.3389/fnut.2022.807350

試験結果

タイピングのパフォーマンス平均
昼食に「豆類でつくった麺」を摂取した場合、白米・うどん・パンの摂取と比較してタイピングの正確さが統計的に有意に増加する一方で、タイピングミスには有意差がない。


・被験者10人の平均±SD。(A)タイピングの平均正打数。(B)タイピングの平均誤打数。

昼食後の血糖値平均・最高血糖値平均
昼食に「豆類でつくった麺」を摂取すると、白米・うどん・パンの摂取と比較して、血糖値平均が有意に低下し、最高血糖値平均は有意傾向ありで低下した。

・被験者10人の平均±SD。(A)血糖値の1日平均(平日12~18時)。(B)最高血糖値の1日平均(平日12~18時)。(C)血糖値週平均(平日12~18時)。(D)最高血糖値週平均(平日12~18時)

昼食後の血糖値AUC
昼食に「豆類でつくった麺」を摂取すると、白米・うどん・パンの摂取と比較して、血糖値AUC(曲線下面積)が有意に低くなる。

・被験者10人の平均±SD。(A)平日5日間の平均。(B)各平日の値。

「集中度」に関する感性値
脳波を計測した感性値の結果から、昼食に白米・うどん・パンを摂取すると、昼食前後と比較して定時終了前には「集中度」が有意に低下したが、「豆類でつくった麺」を摂取すると、「集中度」が維持され、低下が防止される。

・被験者10人の平均±SD。

被験者へのアンケート結果
昼食に「豆類でつくった麺」を摂取すると、白米・うどん・パンの摂取と比較して、午前・午後の仕事の効率が有意に高くなり、仕事のモチベーションは午後だけでなく、翌日についても有意に高くなると回答している。

・被験者10人の平均±SD。