食物繊維をとるなら納豆がおすすめ! その理由と納豆レシピをご紹介
食物繊維をとるなら納豆がおすすめ! その理由と納豆レシピをご紹介
- 納豆が食物繊維をとるのにおすすめな理由
- 理由① 納豆には食物繊維が豊富
- 理由② 納豆には2種類の食物繊維がバランスよく含まれる
- 食物繊維不足を補うために納豆はどれだけ食べるとよい?
- 納豆で効果的に食物繊維をとる!おすすめレシピ
- 納豆とろとろ丼
- イカオクラ納豆
納豆が食物繊維をとるのにおすすめな理由
食物繊維が豊富な食材、というと、何を思い浮かべますか?野菜や海藻、こんにゃく類などをイメージする方も多いかもしれませんが、実は豆類にも多く含まれているのです。なかでも乾燥大豆には、100gあたり21.5gもの食物繊維が含まれています。
しかし、乾燥大豆を水で戻して調理をするのは手間がかかりますよね。そこでおすすめしたいのが納豆です。納豆は、ゆでた大豆に納豆菌を付着させて作られます。大豆はゆでると食べやすくなりますし、一部の栄養成分は増加するとわかっています。
ここからは、具体的に納豆がなぜ食物繊維をとるのにおすすめか、解説していきます。
理由① 納豆には食物繊維が豊富
市販されているパックの納豆は、通常1パックあたり40〜50g程度です。今回は、1パック50gとして、食物繊維量を見ていきましょう。一般的な納豆には、大豆を丸ごと煮た一番オーソドックスな「糸引き納豆」のほか、大豆を炒って砕いてから煮た「ひきわり納豆」などがあります。食物繊維量は、糸引き納豆1パックあたり3.4g、ひきわり納豆1パックあたり3.0gです。
食物繊維豊富と言われている食材と比較してみるとどうでしょうか。50gあたりの食物繊維量は、ごぼう2.9g、エリンギ1.7g、しらたき1.5g、じゃがいも(蒸し)1.8g、海藻(ほしひじき・ゆで)1.9gと、どれも納豆の食物繊維量と同程度かやや少なめ。そのため、納豆も食物繊維が豊富な食材と言えるでしょう。また納豆は調理がいらず、そのまま食べることができるため、手軽に食物繊維をとれるというメリットもあります。
理由② 納豆には2種類の食物繊維がバランスよく含まれる
食物繊維をとるのに納豆をおすすめする理由はもうひとつあります。それは、2種類の食物繊維が含まれているからです。
食物繊維には、水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の2種類があるのをご存じですか。その名のとおり水に溶ける性質を持ち、体内で水分と結合しゲル状になります。このゲル化によって食べ物の粘性を高め、胃から小腸に運ばれる時間を長くすることで、急激な血糖値の上昇を抑制する効果があります。また、さまざまな成分の吸収や排出にも関係します。
不溶性食物繊維は、水に溶けないため、水分を吸着して何倍にも膨れあがる性質を持っています。このため腸を刺激して排便を促し、整腸作用が期待されています。また、不溶性食物繊維を多く含む食品は噛み応えがあり、噛む回数が増えることで早食いを防止し、食べ過ぎ防止にも効果的です。
納豆の水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の量を見てみましょう。糸引き納豆1パックあたり、水溶性食物繊維は1.2g、不溶性食物繊維は2.2g。ひきわり納豆1パックあたり、水溶性食物繊維は1.0g、不溶性食物繊維は2.0g。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれていることがわかります。
ほかの豆類と比較してみても、50gあたり、ゆで大豆は水溶性食物繊維1.1g、不溶性食物繊維3.2g、茹でえんどう豆は水溶性食物繊維0.3g、不溶性食物繊維3.6g。一般的に豆類に含まれる食物繊維の多くは不溶性と言われていますが、納豆はどちらの食物繊維も効率よく補うことができるのです。
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂正)
食物繊維不足を補うために納豆はどれだけ食べるとよい?
日本人は、1日にどれくらい食物繊維が不足しているか知っていますか?厚生労働省がエネルギーや各栄養素についての基準を定めた「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」によると、18 〜64歳の食物繊維摂取目標量は男性21g以上、女性18g以上とされています。しかし、毎年国民の栄養素摂取量をまとめている国民健康・栄養調査(平成30年度)によると、20歳以上食物繊維摂取量の現状は、男性15.3グラム、女性14.7グラムと、それぞれ3〜5グラム程度不足してるいてることがわかります。納豆は、1パック3グラム程度の食物繊維が含まれているため、不足分を補うためには、1日1〜2パック程度食べるのがよいでしょう。
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
参照:厚生労働省「平成30年度国民健康・栄養調査」https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000584138.pdf
納豆で効果的に食物繊維をとる!おすすめレシピ
ここからは、効率的に食物繊維がとれる、納豆レシピを2つご紹介します。
納豆とろとろ丼(1人前)
長芋2.5cmは皮をむいて酢水につけ、水分をふきとったら、薄切りにして粗みじんに切ります。糸引き納豆1パックと添付のからしをボウルに入れてよくかき混ぜ、なめ茸大さじ2と長芋、ネギの小口切り大さじ1を加えて混ぜます。器にご飯を盛り、上からかけたら完成です。
糸引き納豆1パック(50g)を使ったどんぶりレシピです。長芋のネバネバもあわさって、モリモリ食べられます。なめたけや長芋でも食物繊維を補えるため、このレシピで約5.2gの食物繊維を補うことができます。
参照:ナスラックキッチン「納豆とろとろ丼」
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=000980
イカオクラ納豆(1人前)
塩ゆでしたオクラ2本は小口切りに、イカ50gは食べやすい大きさに切ります。ボウルに糸引き納豆1パック・オクラ・しょうゆ・梅肉を入れてよく混ぜ合わせたのち、イカを加えてさっと和えれば完成です。
材料を和えるだけの簡単レシピです。さっぱりとしたおかずで箸休めにもなります。納豆1パック(50g)のほかに、食物繊維を豊富に含むオクラを使用しているため、この一品で3.9gの食物繊維を補うことができ、日々の不足分をカバーすることができますよ。
参照:ナスラックキッチン「イカオクラ納豆」
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=002679
加熱せずにそのまま食べられる納豆は、手軽に食物繊維を補うのにぴったりの食品です。食卓が寂しいときのもう一品やご飯のお供として、積極的に取りいれるとよいでしょう。
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。
管理栄養士・フードコーディネーター。レシピ開発やコラム執筆、栄養指導を行っています。旬の食材を生かした、四季を感じる食生活を実践中。道の駅や市場で地元の食材を見るのが好きです。