こんにゃくは食物繊維が豊富?こんにゃくの食物繊維量とうれしい効果
こんにゃくは食物繊維が豊富?こんにゃくの食物繊維量とうれしい効果
- こんにゃくは食物繊維が豊富?
- こんにゃくの主成分
- こんにゃくの食物繊維含有量
- こんにゃくに含まれる食物繊維の効果
- こんにゃくは「体の砂払い」「胃腸のほうき」
- こんにゃくに含まれる食物繊維の種類
- こんにゃくで効果的に食物繊維をとろう
- こんにゃくでおいしく食物繊維をとるレシピ
- 手軽にこんにゃくの食物繊維を摂取する方法も!
こんにゃくは食物繊維が豊富?
こんにゃくの主成分
そもそもこんにゃくは、「こんにゃく芋」というサトイモ科植物の球茎を加工して作られる食品です。こんにゃく芋を粉砕してすりつぶしたものを用いる「生芋」こんにゃくと、こんにゃく芋を薄く切って乾燥させ細かくした「精粉」を用いる製法があります。私たちがよく目にする板こんにゃくは、「精粉」に水や石灰水を加え、ゆで固めることによって作られているものが多いです。
そんなこんにゃくの主成分はグルコマンナン(コンニャクマンナン)という水溶性食物繊維の一種。ブログルコマンナンは、水酸化カルシウムや灰汁(あく)などの凝固剤を加えることで固まり、こんにゃく特有の歯ざわりが生まれています。
参照:公益社団法人日本化学会科学と教育(2016年64巻6号P292-295)「こんにゃくとグルコマンナンの化学(越俊一宮崎著)」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/64/6/64_292/_article/-char/ja/
参照:国立研究開発法人医療基盤・健康・栄養研究所
健康食品の安全性・有効性情報「食物繊維」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail583lite.html
参照:一般財団法人日本こんにゃく協会「こんにゃくワールド」
http://www.konnyaku.or.jp/kenkou/index.html
こんにゃくの食物繊維含有量
私たちがよく料理に使う板こんにゃく(精粉こんにゃく)には、100gあたりに約2.2gの食物繊維が含まれています。この2.2gの食物繊維のうち不溶性食物繊維は2.1g、水溶性食物繊維は0.1gです。こんにゃくの主成分であるグルコマンナンは水溶性食物繊維ですが、板こんにゃくの場合、製造過程でグルコマンナンが不溶性食物繊維に変化するため、板こんにゃくに含まれる食物繊維はほぼ不溶性食物繊維と言えそうです。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂正)
こんにゃくに含まれる食物繊維の効果
食物繊維は私たちが日ごろ口にしている食べ物のなかに含まれていて、人の消化酵素では消化することができないのが特徴です。五大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」とも呼ばれています。
食物繊維の効果は腸内環境を整えてくれることがよく知られていますが、それだけではありません。とりすぎると肥満や生活習慣病につながる可能性のある、脂質・糖・ナトリウムなどの排出を助ける働きもあるため、私たちの健康維持にとても効果的な食品と言えるでしょう。
参照:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
こんにゃくは「体の砂払い」「胃腸のほうき」
「こんにゃくは体の砂払い」というのは、こんにゃくが体のなかをきれいにしてくれることを例えたことわざです。かつて、こんにゃくは体の中にたまった砂を出す働きがあると考えられていました。実際に、こんにゃくに含まれる食物繊維には、便・腸の調子を整えてくれたり、脂質・糖・ナトリウムなどの排出を助けてくれたりする作用があります。また、この効果から「胃腸のほうき」と呼ばれることもあるそうです。
参照:農林水産省「農作物についての故事・ことわざ」
https://www.maff.go.jp/j/agri_school/a_tisiki/kotowaza/
こんにゃくに含まれる食物繊維の種類
食物繊維には水に溶ける性質を持つ「水溶性食物繊維」と水に溶けない性質を持つ「不溶性食物繊維」がありますが、私たちになじみのある板こんにゃくやしらたきなどに含まれている食物繊維はおもに後者の不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維には、簡単に言うと「便のかさを増やしてくれる」という効果があります。消化・吸収されずに小腸を通って大腸まで達することで、腸を刺激してぜん動運動(腸の収縮運動)を活発にし、便通を促すことによって腸内環境を整えてくれます。
また、こんにゃくを乾燥させて作る「凍みこんにゃく(乾)」という食品になると100gあたりにおよそ70gという驚異的な量の不溶性食物繊維が含まれており、低カロリーながら食物繊維が豊富でお腹の調子を整えてくれる食材として注目を浴びています。
こんにゃくで効果的に食物繊維をとろう
食物繊維が含まれており、私たちの体によい効果をもたらしてくれるこんにゃく。板こんにゃくはもちろん、玉こんにゃく・刺身こんにゃく・しらたきなど、現在はスーパーなどでもさまざまな種類のこんにゃくが手に入ります。煮物にすれば味がよくしみ込んでおいしいですし、炒め物や和え物、みそ汁の具など、多彩な料理に使えます。副菜の具のひとつとして加えれば、毎日の献立のなかで無理なくこんにゃくの食物繊維をとることができますよ。
こんにゃくでおいしく食物繊維をとるレシピ
食物繊維豊富なこんにゃくを使った、おいしいレシピをご紹介します。
・こんにゃくの肉巻きステーキ
脇役になりがちなこんにゃくをメイン料理に変身させたアイデア料理です。食物繊維がたっぷりなのはもちろん、低カロリーながら食べ応えもあるので、ダイエット中の方にもおすすめですよ。
作り方
3分ほどゆでて水気を切った板こんにゃく(1枚)を4等分に切り格子状の切れ目を入れたら、調味料(しょうゆ・大さじ2・みりん大さじ1・酒大さじ1/2)に両面10分ずつ漬けて味を染み込ませます。あとは塩・こしょうで下味を付けた牛肉(もも薄切り約2枚分)で巻き、ニンニク・バターを熱したフライパンで牛肉に火が通るまで焼き上げるだけ。最後にしょうゆ大さじ1を回し入れて味を整えれば完成です。
参照:ナスラックキッチン「こんにゃくの肉巻きステーキ」
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=002919
・ピリ辛こんにゃく
続いては15分程度でできる簡単レシピをご紹介!材料もこんにゃくとご自宅にある調味料だけです。ピリッとした辛さがやみつきになる一品で、おつまみにもぴったりです。献立に一品加えると、食物繊維摂取量を手軽に増やすことができます。
作り方
まずは板こんにゃく(1/2枚)を手でひと口サイズにちぎって熱湯でさっとゆでます。ごま油を入れたフライパンで、ゆでておいたこんにゃくを炒めたら、輪切りとうがらし(少々)と合わせ調味料(みりん大さじ1/2・砂糖小さじ1)を加えて炒めます。全体に味が染みたら最後にしょうゆ(大さじ1〜2)を加えて水分を飛ばせばできあがりです。
参照:ナスラックキッチン「ピリ辛こんにゃく」
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=001263
手軽にこんにゃくの食物繊維を摂取する方法も!
毎日の食事のなかでこんにゃくの食物繊維をしっかりと摂取できればいいですが、忙しい毎日ではそうはいかないこともありますよね。そんなときはこんにゃくのゼリーなど、コンビニで手に入るデザートで手軽にとることもできます。また、最近ではカロリーや糖質を抑えたこんにゃく含有米やこんにゃく麺などの食品もたくさん登場しています。これらのアイテムを主食に置き換えるなど上手に活用すれば、手軽に食物繊維をとりながらダイエットにも活かすことができます。食物繊維の含まれる食材、こんにゃくを日々の食事に上手に取り入れて、健康な体を手に入れましょう!
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。
3歳・1歳の2人の男の子を育てる在宅ライター。食・インテリア・子育て系のコラムをはじめ執筆ジャンルは多岐にわたる。得意分野は新しい商品やサービスの紹介記事。