バナナに含まれる食物繊維の量とその効果は?
バナナに含まれる食物繊維の量とその効果は?
- バナナに含まれる食物繊維の量
- バナナに含まれる食物繊維の種類は
- バナナの食物繊維にはどんな効果がある?
- バナナは他の果物より食物繊維が多い?
- バナナ以外の果物の食物繊維は
- 日本人は食物繊維が不足気味
- 不足分の食物繊維をバナナで補うなら何g?
- バナナの食物繊維を手軽にとるには
バナナに含まれる食物繊維の量
乾燥した状態のバナナ100gあたりに含まれる食物繊維の量は7.0g。これはあらゆる果物に含まれる食物繊維量のランキングで9位と、果物の中でもかなり多い量なのです(1位ブルーベリー(乾) 17.6g、2位干しがき14.0g、3位なつめ(乾)12.5g、4位いちじく(乾)10.7g、5位すだち(果皮、生)10.1g、6位あんず(乾)9.8g、7位かりん(生)8.9g、8位プルーン(乾)7.2g、同率9位なつめやし(乾)7.0g。
皆さんがよく食べる生の状態のバナナでは、100gあたりの食物繊維の量は1.1g。バナナと言っても色々なサイズが売られていますが、中くらいのサイズで可食部(皮を除いた状態)がだいたい100gほど。バナナ1本を食べると食物繊維がおよそ1.1gとれるということになります。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七改正)
バナナに含まれる食物繊維の種類は
食物繊維には、大きく二つに分けて、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。
生の状態のバナナには1.1gの食物繊維が含まれていますが、そのうち1.0gが不溶性食物繊維、0.1gが水溶性食物繊維です。乾燥した状態でも7.0gのうち5.0gが不溶性食物繊維、2.0gが水溶性食物繊維です。つまり、バナナの食物繊維の多くが不溶性食物繊維なのです。
バナナの食物繊維にはどんな効果がある?
不溶性・水溶性問わず、食物繊維には腸内環境を良くしておなかの調子を整える効果があります。実は、特定保健用食品(トクホ)で「おなかの調子を整える食品」と表示しているものの多くは食物繊維を使っているのです。
特にバナナに多く含まれている不溶性食物繊維は、便の体積を増やして腸を刺激し、便通を良くする作用が知られています。便通が悪い人、おなかの調子で悩む人には嬉しい働きのある成分です。
バナナは他の果物より食物繊維が多い?
乾燥した状態のバナナは果物の食物繊維ランキングで9位と紹介しましたが、生の状態では実は87位。1位は乾燥ブルーベリー、5位はすだちの果皮…などなど、ランキングの上位にはあまり日常的に食べない、または多くの量を食べづらい果物が並んでいます(1位ブルーベリー(乾)17.6g、2位干しがき14.0g、3位なつめ(乾)12.5g、4位いちじく(乾)10.7g、5位すだち(果皮、生)10.1g。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂正)
バナナ以外の果物の食物繊維は
私たちが日常的に食べている果物の中で食物繊維量が多いものを探してみると、生のアボカドが100g中5.3g、キウイ(緑肉種)が2.5g、生のいちご・キウイ(黄肉種)・皮をむいた生のりんごがそれぞれ1.4g、生のパイナップルが1.2g。生のバナナはそれに次ぐ量(1.1g)です。
手軽に食べられる果物の中では、バナナの食物繊維量は多いほうと言えます。また、バナナは年間を通して安価で手に入りやすく、持ち歩きもしやすいフルーツ。習慣的に食べて食物繊維をプラスするにはぴったりですね。
日本人は食物繊維が不足気味
現在、多くの日本人に食物繊維が不足しているそうです。現在定められている1日あたりの食物繊維摂取目標量は、18-64歳の男性で21g以上、18-64歳の女性で18g以上です。
参照:厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
しかし、近頃では1日当たりの平均摂取量が15g程度になっているという報告もあります。多くの人は食物繊維が1日当たりの目標量より3〜6g程度不足しているのです。1950年ごろの調査では、十分な量の食物繊維を摂取できていたという結果が出ていたそうです。しかし、この調査から70年ほどが経過する中で食生活が変化し、食物繊維が多く含まれる穀類や豆類、いも類を食べる量が減ってきたことにともなって、食物繊維が不足しているのが現状です。
食物繊維は整腸作用のほかにも、余分な脂質や糖、ナトリウムを体外に排出する働きなどが知られており、生活習慣病の予防にも効果的とされています。おなかの調子に悩んでいる方も、ダイエットに取り組んでいる方も、積極的に食生活に取り入れていきたい成分です。
不足分の食物繊維をバナナで補うなら何g?
1日の摂取目標量に足りない食物繊維約5.0gを生のバナナで補おうとすると、450g程度。であればバナナ4.5本を毎日食べないといけません(バナナ1本を100gとした場合)。日々の食生活にバナナ4.5本を追加するのは、残念ながらあまり現実的ではありませんよね。
バナナの食物繊維を手軽にとるには
バナナをそのまま食べてるだけではなく、食べ方を変えることで、これまでよりも手軽に食物繊維をとることができるかもしれません。
例えば、バナナチップスをおやつにするのもおすすめです。バナナチップスならスーパーやコンビニに売られていることも多く、意外と手に入りやすいおやつです。バナナチップスは「乾燥状態のバナナ」ということになりますから、同じ重さでも生の状態のバナナより多くの食物繊維が含まれています。
また、生のバナナを牛乳や豆乳と一緒にミキサーにかけて、バナナジュースにすると量をとりやすくなります。先にご紹介したバナナ以外の食物繊維が多いフルーツ(キウイ・りんごなど)や野菜と一緒にスムージーを作るのもおすすめです。
バナナの魅力は何と言っても、値段が安く、取り扱うお店が多く、パクっと食べやすいから手軽にとれること。食物繊維の多い食事を習慣化するのは大変ですが、朝ごはんやおやつにバナナをプラスすれば、簡単に日々の食物繊維の摂取量をアップすることができますよ。
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。
PR会社、小売業のマーケティング担当を経て、出産後ライターとして活動中。3歳の娘を育てています。