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便秘やダイエットには本当に効く?さつまいもの食物繊維の量と効果は

便秘やダイエットには本当に効く?さつまいもの食物繊維の量と効果は

おかずはもちろん、洋菓子にも和菓子にも大活躍するさつまいも。調理法によってさまざまな食感が楽しめるのも人気の理由です。便秘やダイエットにも摂り入れたい、さつまいもの食物繊維のおすすめの美味しい食べ方を紹介します。
便秘やダイエットには本当に効く?さつまいもの食物繊維の量と効果は
  1. さつまいもに含まれる食物繊維の量
  2. さつまいもに含まれる食物繊維の種類は
  3. さつまいもの食物繊維にはどんな効果がある?
    • さつまいもの食物繊維は便秘に効くの?
    • さつまいもの食物繊維でダイエットはできる?
    • さつまいもの食物繊維はほかの野菜より多いの?
    • さつまいもとじゃがいも、食物繊維が多いのは
  4. さつまいもの食物繊維を手軽にとるには

さつまいもに含まれる食物繊維の量

おかずはもちろん、洋菓子にも和菓子にも大活躍するさつまいも。調理法によってさまざまな食感が楽しめるのも人気の理由です。
そんなさつまいもには、私たちの体にとても良い効果をもたらしてくれる食物繊維が100gあたり3.8g(皮つきで蒸した状態)も含まれています。

さつまいもに含まれる食物繊維の種類は

では、さつまいもに含まれている食物繊維はどのような種類のものなのでしょうか。食物繊維には、おおまかに水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」の2つがあります。皮つきで蒸した状態のさつまいも100gあたりに含まれる食物繊維の種別量をみてみると、水溶性食物繊維が1.0g、不溶性食物繊維が2.8g。また皮をむいて蒸したさつまいもでは、全体量2.3gのうち水溶性食物繊維が0.6g、不溶性食物繊維が1.7g。さつまいもの食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維がより多く含まれていることがわかります。

さつまいもの食物繊維にはどんな効果がある?

そもそも食物繊維とは、消化吸収されずに、小腸を通って大腸まで達するのが特徴の栄養素です。それによりもたらされる一番の効果は整腸作用です。また、体内でコレステロールから作られる胆汁酸の便中への排泄を促進し、血中コレステロール値を下げてくれる働きもします。さらには食後の血糖値の急激な上昇を抑えることで、糖尿病・虚血性心疾患などの生活習慣病に対しての予防効果もあります。さつまいもに豊富に含まれる食物繊維は私たちの体にとってたくさんの良い働きをしてくれる、健康に欠かせない大切な栄養素なのです。

さつまいもの食物繊維は便秘に効くの?

そして食物繊維のなかでもさつまいもに多く含まれる不溶性食物繊維には、簡単にいうと「便のかさを増してくれる」という効果があります。

便は、腸の壁が収縮する「ぜん動運動」で移動します。不溶性食物繊維は腸を刺激することによってそのぜん動運動を活発にし、便通を促すことによって腸内環境を整えてくれます。これが、さつまいもが便秘改善に良いといわれている理由です。ただし、不溶性食物繊維はとりすぎると逆効果になることも。なぜなら便秘の人はぜん動運動の機能が低下しているので、便のかさが増えすぎると逆に便が移動できなくなるからです。大腸内に長時間とどまった便は、腸に水分を吸収されて硬くなります。そのため、すでに重めの便秘の人は、さつまいもなどで不溶性食物繊維をとりすぎるとさらにひどい便秘を引き起こしてしまう恐れがある、ということも知っておきましょう。

さつまいもの食物繊維でダイエットはできる?

さつまいもは甘くて美味しいので食べ過ぎると太る、というイメージがある方も多いかもしれません。しかし、適量ならばダイエットにも役立つ食品なんです。
ダイエットのために極端に食事の量を減らしてしまうと、食物繊維不足により便秘を招くことがあります。さつまいもをとることで、食物繊維による整腸作用が期待できます。また、さつまいもはビタミンC、ビタミンE、カリウム、葉酸、銅なども含んでいます。上手に献立に取り入れれば、ダイエット中でもバランスのよい食事がとれるでしょう。

さつまいもの食物繊維はほかの野菜より多いの?

さつまいもに食物繊維が豊富に含まれていることはお分かりいただけたかと思いますが、ほかの野菜と比べてもさつまいもの食物繊維は多いのでしょうか?
実は、食物繊維の多い野菜はほかにもたくさんあります。よく食卓にのぼる野菜のうち、100gあたりに含まれる食物繊維量がさつまいもよりも多いものには、グリーンピース(ゆで)、えだまめ(ゆで)、スイートコーン(ゆで)、ごぼう(ゆで)、ほうれん草(ゆで)、にんじん(皮つき、ゆで)、かぼちゃ(ゆで)などがあげられます。
一方、一般的に食物繊維たっぷりなイメージがあるレタス(土耕栽培・生の場合、100gあたり食物繊維1.1g )やキャベツ(生の場合、100gあたり食物繊維1.8g)よりもさつまいものほうが多くの食物繊維が含まれていることには驚きですね。

さつまいもとじゃがいも、食物繊維が多いのは

同じいも類であるさつまいもとじゃがいも。ではどちらのほうが食物繊維を多く含んでいるのでしょうか。一般的にはさつまいものほうが食物繊維を豊富に含んでいるイメージがあるかもしれませんが、実は100gあたりの食物繊維含有量(皮をむいて蒸した状態)を比べてみると、さつまいもが2.3 g、じゃがいもが3.5gと、じゃがいものほうが多いとかいうデータがあります。

ただし皮つきのさつまいもと皮なしのじゃがいもを比べてみると、皮つきのさつまいものほうが100gあたりの食物繊維含有量が多い(100gあたり3.8g)のです。皮ごと食べる機会が多いさつまいものほうが、食物繊維をとりやすいと言えているかもしれません。さつまいもはおかずから和菓子や洋菓子などのおやつまで料理の幅が広いのもポイントですね。

さつまいもの食物繊維を手軽にとるには

美味しく食物繊維がとれるさつまいも。では、日ごろの食事のなかで効率的に無理なく摂取するにはどうすればよいのでしょうか?
一番おすすめしたい食べ方は干し芋です。さつまいもは、皮をむいて蒸した状態だと100gあたりの食物繊維は2.3gなのに対し、干し芋にすると100gあたりに含まれる食物繊維の量が5.9gと、なんとおよそ2倍になります。乾燥することによって体積は減りますが、歯ごたえがあるのでよく噛むことになり満腹感も感じられます。コンビニやスーパーなどでも手軽に買えるので、間食やおやつを干し芋にすれば簡単にさつまいもの食物繊維を摂取することができます。ほかに手軽に食べられるさつまいものおやつとして、おさつチップスや芋けんぴなどもありますが、これらは油で揚げているためカロリーが高めなので、食べ過ぎには注意しましょう。

日々の食事のなかでさつまいもの食物繊維をとるには、白米と一緒に炊き込むさつまいもの炊き込みごはんや、おみそ汁の具のひとつとして取り入れるのがおすすめです。普段の献立を大きく変えることなく、簡単にさつまいもの食物繊維を摂取することができますよ。
また、実はさつまいもは皮にも食物繊維が多く含まれている食物です。例えばふかし芋を食べるときは皮をむかずにそのまま食べるほうが、食物繊維をおよそ1.5倍多く摂取することができます。日ごろの食事のなかで無理なく取り入れたり食べ方を少し工夫したりすることで、さつまいもの持つ食物繊維のパワーを十分に活用し、便秘解消やダイエットにつなげていきたいですね。

監修者尾上 雅子(管理栄養士)

    大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。

    ライターMugi

      3歳・1歳の2人の男の子を育てる在宅ライター。食・インテリア・子育て系のコラムをはじめ執筆ジャンルは多岐にわたる。得意分野は新しい商品やサービスの紹介記事。

      参考リンク
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