きのこで食物繊維不足を解消!食物繊維量ランキングも
きのこで食物繊維不足を解消!食物繊維量ランキングも
- きのこに含まれる食物繊維。その効果は?
- きのこに含まれる食物繊維量ランキング
- 食物繊維総量が多いきのこTOP5
- 不溶性食物繊維が多いきのこTOP5
- 水溶性食物繊維が多いきのこTOP5
- きのこで食物繊維を補うにはどれだけ食べたらよい?
- 食物繊維を補えるきのこレシピ
きのこに含まれる食物繊維。その効果は?
きのこに含まれている食物繊維は、整腸作用をはじめ、体に嬉しい作用を持つ栄養素です。食物繊維は、水に溶けやすい性質を持つ「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい性質を持つ「不溶性食物繊維」の2種類に分類され、それぞれ異なる特徴を持ちます。
水溶性食物繊維は体内で水分に溶け込んで粘性を持つため、胃から小腸への食べ物の移動を緩やかにします。そのため、急激な血糖値の上昇防止も期待されています。そのほか、整腸作用や不要な成分を体外に排出する作用など、さまざまな生理作用があるとされています。
不溶性食物繊維は、体内で水分を含みながら体積を増すため、便のかさを増したり、腸を刺激したりすることにより排便を促してくれます。また、不溶性食物繊維を多く含む食品は、噛みごたえのあるものが多いため、よく噛むことで早食い・食べ過ぎ防止なども期待できます。
きのこに含まれる食物繊維は、全体的に不溶性食物繊維が多めです。そのため、きのこで食物繊維をとることにより、整腸作用や食べ過ぎ防止などが期待されます。
参照:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
きのこに含まれる食物繊維量ランキング
きのこといっても、その種類はさまざまです。では、食物繊維はどのきのこに多く含まれているのでしょうか。食物繊維総量の多いきのこについて、種類別にランキングを見てみましょう。
※今回は生の状態のきのこでランキングを作成しました。
食物繊維総量が多いきのこTOP5
・食物繊維総量が多いきのこランキング(100gあたり)
1位:あらげきくらげ(5.6g / 100g)
2位:しいたけ・原木栽培(5.5g / 100g)
3位:まつたけ(4.7g / 100g)
4位:しいたけ・菌床栽培(4.9g / 100g)
5位:くろあわびたけ(4.1g / 100g)
食卓でなじみのあるしいたけやえのきたけも、食物繊維を豊富に含むきのこです。ほか、スーパーで入手しやすいきのこの食物繊維量に関しては、えのきたけ3.9g(100gあたり)、まいたけ3.5g(100gあたり)、エリンギ3.4g(100gあたり)、なめこ3.4g(100gあたり)、ぶなしめじ3.0g(100gあたり)です。
不溶性食物繊維が多いきのこTOP5
便のかさを増すことで便通を手助けしてくれる不溶性食物繊維。不溶性食物繊維はどのきのこに多く含まれるのでしょうか。
・不溶性食物繊維量が多いきのこランキング(100gあたり)
1位:しいたけ・原木栽培(5.1g / 100g)
2位:あらげきくらげ(4.8g / 100g)
3位:まつたけ(4.4g / 100g)
4位:しいたけ・菌床栽培(4.2g / 100g)
5位:くろあわびたけ(3.9g / 100g)
水に溶けない性質を持つ不溶性食物繊維は、しいたけ(原木栽培)に最も多く含まれています。
水溶性食物繊維が多いきのこTOP5
水分とともにゲル化し、排便をスムーズにしてくれる水溶性食物繊維。水溶性食物繊維はどのきのこに多く含まれるのでしょうか。
・水溶性食物繊維量が多いきのこランキング(100gあたり)
1位:なめこ(1.0g / 100g)
2位:しいたけ・菌床栽培(0.8g / 100g)
2位:あらげきくらげ(0.8g / 100g)
3位:しいたけ・原木栽培(0.4g / 100g)
4位:えのきたけ(0.4g / 100g)
5位:まいたけ(0.3g / 100g)
水に溶ける性質を持つ水溶性食物繊維は、なめこに最も多く含まれています。また、スーパーで手に入りやすいきのこであるえのきたけにも、0.3g(100gあたり)の水溶性食物繊維が含まれています。
きのこは香りや旨味が特徴的で、和え物や炒め物、鍋などさまざまな料理にアレンジしておいしく食べることができます。種類により味や食感も異なり、飽きずに食べることができるのも利点。水溶性・不溶性それぞれの食物繊維の働きも意識しながら、お好みのきのこを食卓に取り入れてみてくださいね。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂正)
きのこで食物繊維を補うにはどれだけ食べたらよい?
日本人は、食物繊維の摂取量が不足していると言われています。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、18〜64歳の食物繊維摂取目標量を男性21g以上、女性18g以上と定められています。しかし、国民の生活習慣や栄養素摂取状況などを調査した平成30年「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の食物繊維摂取量の平均値は、男性15.3g、女性14.7gとの結果が出ており、男女共に1日当たり3〜5g程度の食物繊維が不足しています。食物繊維の含まれるきのこを日々の食事にプラスし、食物繊維の不足分をうまく補いたいですね。
では、1日に不足する食物繊維を補うためには、具体的にどの種類のきのこをどれくらい食べたらよいのでしょうか。ぶなしめじだと1.6パック(約160g)程度、まいたけだと1.5パック(約140g)程度、えのきたけだと2/3袋(約130g)程度、しいたけ(菌床栽培・軸なし)だと約7個程度(約100g)が目安です。熱を加えることでかさが減り食べやすくなりますよ。
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
参照:厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000688863.pdf
食物繊維を補えるきのこレシピ
ここからは、きのこを使ったレシピをご紹介します。上手に食卓に取り入れて、日々不足している食物繊維をおいしくとりましょう。
・きのことわかめのピリ辛ソテー(2人分)
あらかじめ乾燥わかめは水で戻し、水気を切っておきます。フライパンにオリーブオイル大さじ1、ニンニクのすりおろし少々、とうがらし1本を入れて火にかけ、石づきをとったしめじ100g、千切りにしたエリンギ50g、えのき100gを加えて炒めあわせます。きのこがきつね色になったらわかめを加え、さらにさっと炒め、酢小さじ1、塩小さじ1/3を加えて混ぜ合わせたら完成です。
きのこはもちろん、海藻からも食物繊維をとることのできる一品です。1人分あたり約5.4gの食物繊維が含まれるため、この1皿で1日当たりに不足していると言われている食物繊維量を補うことができます。低カロリーのうえ、ピリ辛の味付けが食欲をそそります。
参照:ナスラックキッチン「きのことわかめのピリ辛ソテー」
https://www.nasluck-kitchen .jp / recipe /?menu_id = 002337
・干しきのこのカリカリパン粉がけ(2人分)
しいたけ4個は軸とかさに分けて切り、事前に1〜2時間程度干しておきます。干したしいたけは軸・かさそれぞれで切り、オリーブオイルを熱したフライパンで酒大さじ1と適量のハーブソルトを加えながら炒めます。炒めたしいたけはボウルに取り出しておきます。別のフライパンでパン粉を炒め、きつね色になったら粉チーズを加え、炒めたしいたけと混ぜ合わせます。器に盛って、ドライパセリをふって完成です。
きのこのなかでも、不溶性食物繊維が多く含まれるしいたけを使ったレシピです。しいたけの大きさにもよりますが、しいたけ2個(菌床栽培、1人分・約30g)で、約1.57gの食物繊維(うち不溶性食物繊維は1.35g)をとることができます。
参照:ナスラックキッチン「干しきのこのカリカリパン粉がけ」
https://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/?menu_id=002849
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂正)
低カロリー食材としても人気のきのこ。食卓に上手に取り入れて、食物繊維を不足なく補いましょう。
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。
管理栄養士・フードコーディネーター。レシピ開発やコラム執筆、栄養指導を行っています。旬の食材を生かした、四季を感じる食生活を実践中。道の駅や市場で地元の食材を見るのが好きです。