コーン(とうもろこし)の栄養素や効用、含まれるカロリーについて徹底解説!

サラダ、スープ、炒め物などの料理に使用され、日常生活で身近な食材となっているコーン(とうもろこし)。ビタミンやスッキリ作用のある食物繊維が含まれている優れた野菜で、捨ててしまいがちな芯の部分も栄養素が詰まっているのをご存知ですか?そこで今回はコーンの成分や栄養素・カロリーなどを知って、おいしく食べるコツをご紹介します。

目次

コーンってどんな野菜?

コーンってどんな野菜?

コーンの名前の由来

日本では「とうもろこし」との呼び名が主流で、漢字では「玉蜀黍」と書きます。これは「粒が玉のような蜀黍(もろこしきび)」という意味ですが、「蜀黍(もろこしきび)」とは、日本古来の黍(きび)に対し、「中国(三国時代の蜀)の黍」を示し、この「もろこしきび」が後に略されて「もろこし」と呼ばれるようになりました。別名、南蛮黍(なんばんきび)、高麗黍(こうらいきび)とも呼ばれていました。

コーンの原産地はどこ?

コーンの原産地は南アメリカないしはメキシコと言われています。歴史はかなり古く、紀元前7000年ごろには、すでに栽培されていたと伝えられています。温暖な気候を好み、主に温帯から熱帯の土地で栽培されています。

日本では北海道を中心に、千葉県、長野県、茨城県、群馬県などで生産されています。

コーンの歴史

コーンが世界に広まるきっかけを作ったのは、イタリア出身の探検家「クリストファー・コロンブス」と言われています。1492年にアメリカ大陸を発見して、種子をスペインへ持ち帰ったのを機にヨーロッパ諸国に広まり、フランス、イタリア、トルコ、西北アフリカに伝わったとされています。

アジアへは16世紀半ごろに入り、ポルトガルからインド、チベット経由で広まったと言われています。日本へやってきたのは16世紀とされ、ポルトガル人が長崎へ持ち込んだのが始まり。南蛮船が運んできたので、当時は「ナンバンキビ」と言われていたそうです。

コーンにはどんな種類がある?

コーンは、デントコーン、フリントコーン、ポップコーン、フラワーコーン、スイートコーンなどさまざまな種類がありますが、広く食用とされているのがスイートコーンです。さらにスイートコーンには、イエロー系、シルバー系、バイカラー系、ヤングコーンがあります。

コーンの旬は?

地域によって異なりますが、夏場が旬の野菜なので、7月をピークに、4月下旬~10月までとされています。九州の宮崎県からはじまり、山梨県、長野県、群馬県、北海道へと北上します。アメリカなどの海外から輸入されていることもあり、現在では1年間、味わえる野菜となりました。

また、とうもろこしは光合成の効率が高く、米、小麦、コーンの「世界三大穀物」のなかで最大の生産量とされています。現在は、世界で年間約11億トン以上生産されており、「穀物の王様」と呼ばれるようになりました。

コーンに含まれる栄養素や成分、カロリーは?

コーンに含まれる栄養素や成分、カロリー

コーンに含まれる栄養素は?

(スイート)コーンは、ビタミンB1・E、パントテン酸、カリウム、食物繊維、ナイアシン、葉酸などが含まれています。特に、胚芽の部分には、元気な体に欠かせないビタミンB群や還元力の強いビタミンEも含まれています。また、カリウムは体のバランスを整えるとされているほか、マグネシウムは体内酵素の働きを助けるなど、非常にバランスに秀でた野菜なのです。

さらに、一粒ひと粒の皮がセルロースという不溶性の食物繊維でできているので、スッキリ作用にもつながると言われています。

コーンのカロリーは?

コーンのカロリーは100g約92kcalで、1本あたりおよそ160kcal。おにぎり1個分のエネルギーに相当します。腹持ちのいい食物繊維が豊富なので、おやつとして取り入れるのもおすすめです。

芯に含まれるコーンの栄養素

芯に含まれるコーンの栄養素

捨てられる芯の部分にも豊富な栄養素

包丁で切り落としてしまいがちな、実の付け根近くの胚芽には、不飽和脂肪酸であるリノール酸、ビタミンB群・Eのほか、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルなどが豊富に含まれています。

また捨ててしまう芯など非可食部には、食物繊維が豊富に含まれています。100gあたりの可食部、非可食部(ヒゲを除く)の食物繊維を比較すると、非可食部(ヒゲを除く)が15.3g、可食部が5.6g。廃棄してしまう部分に約3倍もの食物繊維が含まれています。

さらにコーンの芯は、お茶や製薬の原料や、炊き込みご飯やスープのだしとして活用されるなど、まさに捨てるところがない優れた野菜と言えます。

コーンの栄養素をしっかりととる方法

コーンの栄養素をしっかりととる方法

コーンの選び方と栄養素をムダにしないで食べる方法

コーンを選ぶポイントとしては、皮が付いているもので、緑色でみずみずしいものほど鮮度がいい証。粒にふくらみがあって、ぎっしり詰まっているものがベター。ヒゲは粒一つひとつにつながっており、粒の数や熟成の度合いが分かるので、これを目安に選ぶのもいいでしょう。さらにヒゲがふさふさとボリュームがあり、茶褐色のものがベストです。

また栄養豊富な胚芽を無駄なく食べるためには、コーンの粒をとるとき、最初に縦一列を割り箸でそぎおとし、二列目以降は粒の付け根から親指の腹を使ってそぐようにとるのがおすすめです。粒を取りのぞいた芯はよいダシが出ますので、粒とお米と一緒に炊いて、とうもろこしご飯にするとムダなく使うことができます。

コーンを美味しく食べるレシピ

コーンスープ

湯がいたコーン2本をほぐして、タマネギ1/2個をみじん切りにして炒めたもの、水1カップで煮ます。次に、ミキサーなどでポタージュ状にしたら、鍋にうつして、水または牛乳1カップ、固形スープの素1/2個を入れて煮立たせます。

コーンポテトサラダ

ジャガイモ1個は厚めのいちょう切りに、にんじん20gは薄いいちょう切りにして柔らかくゆがく。ジャガイモはフォークなどでつぶします。キュウリ1/5本は小口切りにして塩をふり、しんなりしてきたら水けを切ります。ほぐしたコーン20gと、ハム3枚、ジャガイモ、キュウリ、タマネギを合わせたら、マヨネーズ大さじ2で和えて、塩、胡椒で味を調えます。

コーンバター

湯がいたコーン1~2本をほぐしたら、バター大さじ1~2(コーンの量により調節)と和えて、塩、胡椒で味を調えます。また、フライパンにバター大さじ1を入れて熱し、コーン1本、7㎜程度の角切りベーコン2枚、醤油で炒めるのもおすすめです。

コーンは芯の部分にも栄養があり、捨てるところがない万能野菜だと言えます。料理としてはもちろん、出汁やお茶としても活用すれば、心も体も健康になれそうです。

部位100g当たり栄養分析値(当社調べ)

※横にスワイプすると表をスライドできます。

野菜 100g当たり栄養成分 構成比 食物繊維 g/100g カルシウム mg/100g カリウム mg/100g ビタミンA μg/100g ポリフェノール mg/100g
コーン 33% 15.3
67% 5.6
枝豆 さや 45% 12.0 138 314 80
55% 5.8 84 691 60
ビーツ 10% 4.3 39 210
果肉 90% 2.2 13 80
パプリカ 種、わた、へた 12% 7.2 34 711 20 120
果肉 88% 1.3 7 261 90 30
えんどう豆 さや 47% 7.1 95 50
53% 4.2 25 30
にんじん 10% 4.5 51 759 613 80
果肉 90% 2.8 26 315 807 10
かぼちゃ 種、わた 13% 11.4 14.3 779 674 60
果肉 87% 3.4 18.8 538 679 30

監修 : 尾上 雅子(管理栄養士)

大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。