枝豆の成分やカロリーは?栄養素を効果的にとる方法をご紹介!

お酒のおつまみとして代表的な「枝豆」は、もともと大豆の未熟な部分の豆で、現在日本には400種類以上もあると言われています。「畑の肉」と称賛されている大豆と同様にたんぱく質、ビタミン、食物繊維、ミネラルなどの栄養素を含みますが、なかでもメチオニン、ビタミンB1・ビタミンB2、カリウムを含んでいるのが特徴です。アミノ酸の一種であるメチオニンは宴席時の欠かせない成分として注目されています。そんな枝豆の成分や、栄養素・カロリーなどをご紹介します。

目次

枝豆ってどんな野菜?

枝豆ってどんな野菜?

枝豆の名前の由来

昔は庭先やあぜ道で栽培されていたので「畔豆(あぜまめ)」と呼ばれていました。その後、枝つきのまま売られて、食べていたことから呼び名が「枝豆」へと変わったと言われています。

枝豆の原産地ってどこ?

大豆の未熟な部分の豆が枝豆で、完熟すると大豆になります。東アジアが原産地とされ、紀元前2000年から中国で栽培されていたと伝えられています。日本に伝来されたのは定かではありませんが、縄文時代の遺跡から大豆とみられる豆の種子が出土されています。そのほか、「古事記」「日本書紀」にも名前が登場することから、かなり古くから存在していたようです。

枝豆の種類いろいろ

大豆を1か月前に収穫した枝豆は、現在では大豆用と枝豆用の品種が分かれ、今では400種以上もの種類があると言われています。種皮とさやのうぶ毛の色の違いから、大きくは「白毛系」「茶豆」「黒豆」の3種類に分かれます。

「茶豆」は東北地方中心に栽培されており、さやの豆が茶色の薄皮をおおっていることからその名がつきました。1つのさやに2粒が基本で、強い甘味と独特の風味に加えて、茹でたてはスイートコーンのような香りがします。代表的なものとしては、山形県のだだちゃ豆、福島県の五葉豆、新潟県の茶豆があります。

「黒豆」は京都の丹波地方といった関西地方で栽培されている枝豆ですが、分かりやすく言うと正月に煮豆に使用されている豆です。黒大豆が成長し黒豆になる前のものを収穫しています。薄皮がうすく黒みを帯びているほか、大粒で黒豆独特の甘味とコクが特徴です。9月下旬~10月中旬にしか収穫できず、生産量も限られています。

ご当地ブランド枝豆も人気

そのほか、在来品種という、限定された地域でしか栽培されてこなかった枝豆があります。当然のことながら、その地域でしか食べることができませんでしたが、近年、一部は「ブランド枝豆」として市場に出回っているものもあります。新潟県黒埼の「黒崎茶豆」、千葉県小糸川地域の「小糸在来」などがあります。

江戸時代には庶民のおつまみに

日本が枝豆を食べるようになったのは、正確には分かっていません。江戸時代中期の文献に「夏に枝豆売りの姿が街で見られた」との記述があることから、17世紀には食されていたようです。文献の通り、当時は枝についたままの状態を茹でた枝豆が売られていて、食べながら歩くファーストフード的な存在だったようです。旧暦で9月13日の月を「豆名月(まめめいげつ)」と呼び、枝豆をそなえていたという説もあります。

枝豆が世界へ

枝豆は、今や海外でも「EDAMAME」として人気フードになっています。欧米では通常の冷凍食品コーナーに並ぶほか、健康意識の高まりに伴いオーガニックの枝豆も人気があります。数年前には大手検索サイトで「edamame」が和食のキーワードで2位に浮上し話題になりました。

枝豆の栄養素・成分やカロリーは?

枝豆の栄養素・成分やカロリー

枝豆は高栄養価な野菜

枝豆は100gあたり135kcalです。同じ野菜では100gあたりのそらまめ108kcal、スイートコーン(ゆで)は99kcal。野菜の中では、エネルギーは高めと言えるので食べ過ぎにはご注意ください。「畑の肉」と称賛されている大豆と同じようにたんぱく質、ビタミン、食物繊維、ミネラルなどの成分を含んでいます。

なかでもメチオニン、ビタミンB1・ビタミンB2、カリウムを含有しているのが特徴と言えます。

メチオニン

枝豆に含まれるアミノ酸の一種メチオニンは、スッキリをサポートするため、枝豆が宴席時のおつまみとして好んで食べられるのは合理的なのです。

ビタミンB1

ほかの野菜と比べると、枝豆はビタミンB1・ビタミンB2を多く含有します。この2つは健康的な生活をサポートする働きがあります。

カリウム

体のバランスを整える作用があります。健康維持のために欠かせないミネラルです。

見逃せない枝豆の「さや」の栄養素

枝豆の「さや」の栄養素

廃棄部のさやの食物繊維は実の約2倍

枝豆を食べたあとお皿に残るのは空っぽになったさや。さやの栄養素を調べると、一部の栄養素は実の部分以上に多く含まれていることが分かりました。

100gあたりの食物繊維の含有量を調べると、枝豆の可食部には5.8g、廃棄するさや(非可食部)には12.0gが含まれています。ゴミとして捨ててしまう部分には実の約2倍もの食物繊維が含まれているのです。

またカルシウムの含有量を調べると可食部が84mg、非可食部が138mg。捨ててしまう部分には実の約1.6倍ものカルシウムが含まれていることになります。

なかなか食べる機会のないさやですが、やわらかく煮てミキサーで攪拌(かくはん)し、硬いスジだけ取り除きポタージュスープにする方法もあるようです。旬の新鮮な枝豆が手に入ったら試してもよいかもしれませんね。

枝豆の栄養素をしっかりとる方法

枝豆の栄養素をしっかりとる方法

枝豆の選び方

枝豆は、日持ちが良く味が落ちにくい枝つきを選ぶようにしましょう。緑色が鮮やかで、枝と枝の間が短く、さやが寄り集まっているものが新鮮です。また、さやがピンと張っていて、粒の大きさがそろっているものがおすすめです。 枝豆は鮮度が低下しやすく、1日置くだけでも豆の中の糖分が落ちると言われています。

枝豆は夜明け前に収穫して、その日に出荷するケースが多いので、その日に購入したらその日に食べるようにしましょう。

枝豆の保存方法

収穫後は鮮度と味が落ちていくので、生で保存する場合は、冷蔵庫の野菜室がベター。長期保存の場合は、硬めに茹でて水気を切り、保存用の袋に入れて冷凍保存しましょう。冷凍したものはお湯にくぐらせたりして食べましょう。

枝豆の茹で方

枝豆は水でしっかり洗ったら、塩味を染み込ませるために両脇をハサミで切って、塩をもみます。これにより色が鮮やかになり、味も馴染むので、必ずもみこみましょう。次に塩を水に入れて沸騰したら、塩がついたままの枝豆をお湯に入れ、中火で3~5分ほど茹でます。3分後に1つ味見をして、少し硬い程度だったらできあがり。塩分が足りなかったら、自分好みの塩加減に調整しましょう。

部位100g当たり栄養分析値(当社調べ)

※横にスワイプすると表をスライドできます。

野菜 100g当たり栄養成分 構成比 食物繊維 g/100g カルシウム mg/100g カリウム mg/100g ビタミンA μg/100g ポリフェノール mg/100g
コーン 33% 15.3
67% 5.6
枝豆 さや 45% 12.0 138 314 80
55% 5.8 84 691 60
ビーツ 10% 4.3 39 210
果肉 90% 2.2 13 80
パプリカ 種、わた、へた 12% 7.2 34 711 20 120
果肉 88% 1.3 7 261 90 30
えんどう豆 さや 47% 7.1 95 50
53% 4.2 25 30
にんじん 10% 4.5 51 759 613 80
果肉 90% 2.8 26 315 807 10
かぼちゃ 種、わた 13% 11.4 14.3 779 674 60
果肉 87% 3.4 18.8 538 679 30

監修 : 尾上 雅子(管理栄養士)

大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。

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