埼玉西武ライオンズ、ヤクルトスワローズ、日本ハムファイターズに在籍していた元プロ野球選手で、現在はメットライフドームに「BACKYARD BUTCHERS」というヴィーガン専門店を運営している米野智人さん。ここでは動物性食材を一切使わず、フライドソイチキンやオーツミルクのドリンクなど、植物性のフードを提供しています。ジャンクなイメージが先行しがちな球場の飲食店で、ヘルシーなヴィーガンレシピを出すのは画期的な試みでした。 それまでは、世田谷でヴィーガンカレーやマフィンを提供するグルテンフリーのレストランを運営していたという米野さん。現役時代の5年間をお世話になったライオンズから声がかかり、新たに球場でヴィーガン料理が楽しめる日本初の飲食店をオープンしたといいます。
現役時代に生まれた食への興味
「選手を辞めたあとで、こういうふうに球場と関われるなんて思ってもみませんでした。今はバックヤードから球場をサポートしたいという気持ちでフードを提供しています」と話す米野さん。なぜヴィーガンフードやグルテンフリーに着目したのかを伺うと、現役時代の自身の体調が大きく関わっていたとのこと。
「30歳を目前にして疲れがなかなか取れなくなり、初めて自分の食事内容を見直したんです。食を改善したことで体調も大きく変化し、あらためて体のなかに入れる食材の大切さを痛感しました。ここからですね、自分の食に関する興味が大きく変わったのは」
環境問題は食と大きく関わっている
そんな米野さんの休日の楽しみは友人とのサーフィン。出身が自然豊かな北海道のため、自然のなかに身を置くことで心身ともにリフレッシュできるそう。この日も自宅の庭でボードのワックスがけに勤しんでいました。「10年前からサーフィンを続けていますが、海に入ると食だけでなく環境のことにも目がいきます。今、地球の環境問題がますます重要視されていますから、ヴィーガンというスタイルで少しでも地球にやさしいことをしていこう、と」
広大な土地や膨大な水と化学物質に依存する工業型の畜産物は環境破壊や汚染を招き、土壌の豊かさを損なう原因になっていると問題視されています。それは環境だけでなく、食べる側の健康にも気候変動にも大きく影響する要因に。 「だから、海外では多くの人がヴィーガンを実践して、地球環境にも意欲的に取り組む人が多いんです。日本はこれからもっと浸透していく国だと思うので、自分のお店でも貢献できればと思って。僕は完全にヴィーガンではないのですが、自分のできる範囲でグルテンフリーや植物性の食材を取り入れて、日々の生活を楽しむようにしています」
米野さんのアスリートとしての見解から“植物性の食材を摂ることでエネルギーになりやすい”というものがあります。肉は消化するのに時間がかかるし、エネルギーも消費する。対して、肉の代わりになる大豆はタンパク質も多い。 「お肉を摂るところを豆に変える、という新しい選択肢が増えても良いのではないかな、と思っています。野球選手は肉というイメージが強いですけど、スポーツをする人にこそ、健やかな身体を保つためにヴィーガン料理でコンディションを整えて欲しいですね」
そんな米野さんが小腹の空いたときに食べているのがZENBのスティック。野菜やナッツ、豆類が原材料で、しかも野菜の皮や種も使っているというサステナブルな面に惹かれたそう。朝はスティックを砕いてヨーグルトの上にトッピングして、ザクザクした食感を楽しみながらグラノーラ感覚でいただくことも。夜は晩酌のおともに甘味のあるトウモロコシのスティックをチョイス。甘さが控えめなスティックなら、夜遅くのおつまみにも安心だといいます。
タンパク質が豊富な豆100%のヌードルがうれしい!
「そんななか、義母に教えてもらったのがZENBの黄えんどう豆100%のヌードルでした。原料が小麦ではなく、タンパク質が豊富な豆をつかった麺が売っていると聞いて、早速取り寄せてみたんです。食べてみたらすごく美味しかったので、ビックリしました。今までの豆系の麺はクセがあるものが多かったのですが、ZENBのヌードルはとても食べやすい。トマトやクリームベースのソースとも相性がいいし、ネギやニンニクでサッパリした醤油ベースも合います。次は中華風にもアレンジしたいですね。こんなに美味しいのに主食でタンパク質がとれる、というのがうれしいです」と、ヌードルの活用にも意欲的な米野さん。
これからも食を大切にした暮らしを
環境のことも、食のことも、米野さんの人生のなかでは切っても切り離せない大切な事柄。食に興味を持ち、ヴィーガンやグルテンフリーの食生活を取り入れ、植物性の食材でも十分美味しいことや体調が改善することを実感したのは、今の暮らしの礎になるかけがえのない経験に。そんな米野さんの自宅の庭にはちょっとした家庭菜園があります。今はハーブ類を育てていますが、これから野菜にもトライしたいと話します。そして、目下の癒しは焙煎マシンを使って淹れるコーヒー。これは北海道で20年も喫茶店を営んできた両親から譲り受けたものだそう。ライフスタイルを伺うほど、体に入れるちょっとしたものにもこだわりや丁寧さが伝わる米野さんでした。
米野さんが長く使っている愛用品
「山の工房村」の半睡窯謹製炊飯窯
10年前に購入した「山の工房村」の半睡窯謹製炊飯窯。15分ほどのつけ置きが済めば、火加減の調節なしで10分で炊きあがるという陶器の土鍋です。「これでお米を炊くようになってから、ごはんがおいしすぎて太ったくらい。今は一通り試して、雑穀を混ぜて炊くのが気に入っています」。雑穀の他に、玄米や発芽玄米もおいしく炊けるため、日によっていろいろな味を楽しんでいるそう。「炭化焼〆焼製法」によってお米のこびりつきがないのも魅力。ごはん一粒一粒の旨味が違うと、米野さんも大絶賛です。
RECIPE
ネギだくパスタ
ねぎをたっぷり使った彩り鮮やかな一品です。ゆでたZENBヌードルを、材料と一緒に炒めて和えるだけ。ニンニクの香りが食をそそる、たっぷりのねぎと一緒に楽しめるメニューです。麺と一緒に細ネギを絡めることで、ねぎと豆の旨味が口いっぱいに広がり、食感も楽しめます。
PROFILE
米野智人さん
北海道生まれ。元プロ野球選手。2016年に引退後、「westside cafe」(旧inning+)を開店。現在はメットライフドームで「BACKYARD BUTCHERS」でヴィーガン専門店をオープン。